新型出生前診断(以下NIPT)は妊娠10週以降に行われる出生前診断の検査のひとつです。
妊婦さんの採血をするだけで特定の染色体疾患などが胎児に見られるかどうか、可能性を診断することができます。
しかし結果は非確定な診断となるため、万が一陽性と出た場合には羊水検査など確定診断を行うか決める必要があります。
最近は30代で妊娠・出産する女性も益々増えており、NIPTを受検するかどうか迷っているという人も多いはずです。
しかしNIPTを実施している施設によっては、30代前半という条件だけでは受検できない可能性もあります。
今回のコラムでは、30代前半の妊婦さんはNIPTを受検できない可能性があるのか、またNIPT受検の条件にはどのようなものがあるのかなどについて説明します。
30代前半は条件や施設によりNIPTが受検できない可能性がある
30代前半では妊婦さんの条件や受検する施設によってNIPTが受検できない可能性があります。
なぜなら日本産科婦人科遺伝診療学会が主導しているNIPT実施の条件において、対象となる妊婦は以下の項目のいずれかに該当するものと定められているためです。
- 胎児超音波検査で、胎児が染色体数的異常を有する可能性が示唆された者。
- 母体血清マーカー検査で、胎児が染色体数的異常を有する可能性が示唆された者。
- 染色体数的異常を有する児を妊娠した既往のある者。
- 高年齢の妊婦。
- 両親のいずれかが均衡型ロバートソン転座を有していて、胎児が13トリソミーまたは21トリソミーとなる可能性が示唆される者。
※均衡型ロバートソン転座:複数の染色体において切断が生じてしまい、染色体同士で切断した部分を交換して再び結合した状態のこと。
ここでいう高年妊婦とは、一般的に出産予定日の年齢が35歳以上である妊婦さんを指します。
そのため出産予定日の年齢が35歳未満である、30代前半の妊婦さんは年齢の条件だけを見るとNIPT受検ができないことになります。
一方で年齢以外の条件が当てはまる場合には、NIPT受検の要件に当てはまることになり受検することができます。
また学会認定以外の施設では、これらの条件がないため年齢に関係なく受検でき、30代前半の妊婦さんも同じく受検することができるわけです。
学会認定外の施設では30代前半でも受検できる
30代前半の妊婦さんでNIPT受検に掲げられている条件に当てはまらない場合は、基本的には学会で認定、登録されている施設でNIPTを受検することはできません。
認定、登録施設では検査を受ける前後に専門家による遺伝カウンセリングを受けることが義務付けられるなど様々な条件があり、学会が掲げる条件をクリアしていないと認定施設になれない仕組みになっています。
しかし認定を受けていない施設でも遺伝カウンセリングが受けられるところもあります。
そのため30代前半で認定施設でのNIPT条件に満たしていない妊婦さんでも、胎児の健康について不安を抱いている場合などは認定外施設でのNIPT受検もひとつの選択肢になるわけです。
実際に、国内におけるNIPT受検に関する実態調査では非認定施設は54施設あり、そのうちインターネット調査で回答を得られた非認定の4施設では2019年度に30〜35歳未満の妊婦さんにNIPTを提供した実績が358件ありました。
一方で、認定施設では56施設のうち30〜35歳未満の妊婦さんの受検は260件となっています。
このように認定外の施設でも30代前半で受検する人はいます。
しかし認定外の施設でのNIPT受検を希望する場合は、検査前後に専門家による検査内容や結果の解釈についての詳しい説明やカウンセリングが受けられるかどうかを確認してから、NIPTを受けることをお勧めします。
30代前半は高齢出産になる?リスクや染色体異常の発生率は?
「高齢初産」は35歳以上で初めて出産を経験する場合と定義されていますが、実は「高齢出産」には厳密な定義がありません。
一般的に35歳以上での出産が「高齢出産」と呼ばれています。
晩婚化・晩産化がより顕著になっている現在ですが、女性の年齢が上がるにつれて妊娠しづらくなったり、胎児に染色体異常が生じる可能性が高くなったりします。
特に胎児に染色体異常が起こる率には母親の年齢が大きく関わっていると考えられています。
染色体異常の中でも発生頻度の高いダウン症候群(21トリソミー)の場合、妊婦さんの年齢が20歳であれば発生率は1068分の1となりますが、30歳では626分の1、40歳では68分の1、45歳では16分の1と上昇していくことが知られています。
ダウン症候群以外にもさまざまな染色体異常があるため、すべての染色体異常を含めると発生率はさらに高まることになります。
ただし妊婦さんの年齢が30代、40代と高くなっても必ずしも胎児に染色体の異常が生じるわけではありません。
しかし胎児に染色体の異常が生じる確率が若い世代と比べると高くなるのは確かといえるでしょう。
このような背景を考えると、30代前半の妊婦さんの中には胎児の健康に不安を抱き、NIPTを受検したいと希望する人がいるのも理解できるといえます。
まとめ:30代前半は条件や施設によってNIPTが受検できる
30代前半の妊婦さんは、NIPTを受検できる用件に当てはまらないと基本的には学会認定施設でNIPTを受検することはできません。
しかし年齢以外の条件で胎児が染色体疾患を有する可能性があるなどの条件があれば受検することは可能です。
また年齢だけがNIPT受検の条件に引っかかってしまう場合、絶対にNIPTが受検できないというわけでもありません。
その場合は年齢制限を設けていない学会認定外の施設でNIPTを受検することができます。
東京の八重洲セムクリニックや大阪の奥野NIPTセンター(奥野病院内)は、年齢制限なくNIPTが受検できる医療機関のひとつです。
出産までどうしても不安があるという妊婦さんは30代前半であってもNIPTを受けることが可能となります。
さらにこちらで提供している検査「ベリファイ 」は、一般的なNIPTと同じ検査項目に加えて、常染色体と性染色体の全染色体検査も可能となっています。
モノソミーX(ターナー症候群)などの性染色体異常についても検査可能なほか、希望すれば性別も判定することができます。
30代前半の妊婦さんで出産まで不安がある人は、NIPT受検ができる認定外の施設での検査も選択肢として考えることができます。
ただし検査前後に専門家による十分な情報提供と遺伝カウンセリングが受けられる施設を選んで受検し、検査結果によってより不安が強くならないよう準備して臨むことをお勧めします。
東京・大阪でNIPTを受診するならこちら
産婦人科医のNIPT予約センター(八重洲セムクリニック[東京]・奥野NIPTセンター[大阪 奥野病院横])は、総検査数10,000件を超える豊富な検査実績と充実したアフターサポートにより多く方に選ばれています。
■NIPTの検査実績
2016年に日本で初めて無認可施設としてNIPTを提供し、日本国内の医療機関でNIPT総検査数10,000件を超える実績をもつ専門医療機関です。
■NIPTに対する高い専門性
10,000件のカウンセリングを通して妊婦さん一人一人と向き合ってきた、出生前診断歴45年を超える産婦人科医かつ国際出生前診断学会の会員である医師が検査を担当します。
■羊水検査が可能
陽性だった場合は羊水検査の実施まで責任を持って行います。他院で受ける必要はなく、その他紹介状やかかりつけ医への説明についてもご相談が可能です。
■検査会社の実績
累計検査数100,000件を超える実績を持つベリナタヘルス社へ検査を委託しています。「ベリナタ法」と呼ばれる独自のサンプリング技術によって、微小欠失まで調べることが可能です。
■国際医療輸送の実績
血液検体の輸送は、WHOが規定する国際基準に従い国際医療輸送の専門企業が担当します。検体紛失や取り違いは1度もありません。
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