新型出生前診断(以下NIPT)は妊婦さんの採血をした血液に含まれる、胎児に関連するDNAを分析して特定の染色体疾患などがないかを調べる、妊娠10週から受けられる出生前診断のひとつです。
出生前診断には母体血清マーカーテストや羊水検査など他にも種類はありますがその中でも採血のみで検査ができて妊婦さんや胎児への影響がほとんどないため、NIPTを受ける妊婦さんが増えています。
そこで気になるのがNIPTを受検するのにかかる費用ではないでしょうか。
妊娠してから出産まで、さらに育児費用もこれからかかると予測されるからこそNIPTもできるだけ費用を抑えて受けたいと思いますよね。
今回のコラムではNIPTにかかる費用や費用に含まれる内容などNIPTにかかるお金についてご紹介します。
NIPTにかかる費用はどのくらい?
NIPTにかかる費用は実施する医療機関によって異なり、平均で約20万円程だと言われています。
他の出生前診断と同様に基本的に保険適応がなく自費診療であるのも特徴です。
NIPTが普及する前に日本で行われていた従来の出生前診断の検査費用は以下の通りです。
- 母体血清マーカー検査:約2〜3万円
- コンバインド検査:約3〜5万円
- 羊水検査:約15万円
- 絨毛検査:約15万円
医療機関によっても費用の設定は異なりますが、NIPTが約20万円で行われていることを考えるとNIPTはやや費用が高いと感じるかもしれません。
しかしNIPTの費用の中には検査前後に行われる遺伝カウンセリング費用が含まれていたり、検査以外にも大切な費用が含まれている場合があります。
NIPTの費用には何が含まれているのか
NIPTの検査には様々な工程があります。
検査、と一口に言っても病院によってプロセスも、その内容も様々です。一般的にきちんとNIPTを受けようとした場合、①医師による検査説明・カウンセリング、②採血、③検体の輸送、④培養などの処理、⑤解析、⑥結果の通知、⑦結果に対するアフターフォロー、といった工程が最低限必要です。
NIPT費用には基本的に以下の内容が含まれています。
- 説明やカウンセリングをする医師の人件費
▶専門性の高い・権威のある医師ほど、費用は高くなります。 - 採血をする費用
▶医療行為のため医療機関で医師・看護師が担当します。 - 採血をした検体を郵送する費用
▶取り違いや状態維持が必要な検体輸送のため通常の輸送とは異なる処理が必要です。 - 検体を培養処理・解析する費用
▶国内・海外の検査機関があり、実績や検査費が異なります。 - 結果を通知する費用
▶解析結果・専門用語の翻訳や説明書の添付、対面通知か郵送通知かによって費用が異なります。 - アフターフォローに関する費用
▶陽性時のサポートを用意しているかなど、受検者側も病院側も費用が異なります。
NIPT検査以外に、遺伝カウンセリングや陽性時に確定検査を希望する場合などには別途費用がかかるところもあり、NIPTを受検するにあたりどこまでカバーされているのか事前に調べたり、問い合わせをしたりすることが大切です。
いくつかの病院ごとの費用違い
ここでいくつかの病院のNIPT費用の例を挙げてみましょう。
当センター セム・奥野 |
A院 | B院 | C院 | D院(認可) | |
---|---|---|---|---|---|
基本検査項目 21・18・13染色体 |
215,600円 | 121,700円 | 146,000円 | 55,000円 | 180,000円 |
性別判定 | 全プラン込み | +22,000円 | 全プラン込み | +83,000円(全部プランのみ) | なし |
+全染色体 | +27,000円 | +66,000円 | +23,000円 | +83,000円(全部プランのみ) | なし |
+微小欠失 | +13,600円 | +66,000円 | +203,500円 | +83,000円 | なし |
検査時カウンセリング | 込み | 4,400円 | 30,000円(必須) | 4,400円 | 10,000円(必須) |
検査結果通知 | 込み | 郵送:3,300円,最短結果通知+36,300円 | +3,850円(必須) | 郵送+3,300円 | 込み(郵送不可) |
陽性時サポート | 羊水検査保証(全額)・カウンセリング保証込み | 羊水検査保証+3,000円・カウンセリング+4,400円 | 羊水検査保証(15万)+2,000円(必須) | 羊水検査保証(20万)+8,800円 | なし |
全項目検査時の合計 | 253,000円 | 290,800円 | 408,350円 | 154,500円 | 190,000円+陽性時費用 |
※2023年5月時点での料金にて記載
さらにNIPT検査を実施している施設の中には、東京の八重洲セムクリニックと大阪の奥野NIPTセンター(奥野病院内)のように基本のNIPT検査以外にも全ての染色体や性染色体、微小欠失症候群の検査を行うところもあります。この場合はNIPTの検査項目によって費用が変わります。
安いを売りにしている施設は多いですが、実際に無認可施設で受ける場合、微小欠失症候群まで検査が可能なため、小さなリスクも残したいとして検討時やカウンセリングを受けて全項目のプランを受ける方が多い傾向にあります。
その場合費用は思っていたよりも高額だった、ということがあることには注意が必要です。
また、陽性時には追加でお金を払わなければ適切なサポートが受けられないなど、現在の日本のNIPT(新型出生前診断)の課題となっている運用のところも多いです。
当センターではNIPTの提供と羊水検査は同じ医療機関が行うべきだと考えており、万が一NIPT結果が陽性だった場合の再診察や羊水検査の提供等の検査後のフォローは徹底して行っています。
これまでも結果が陽性だった妊婦さんのうち希望する方すべてに再診察と羊水検査を提供しており、大切な検査だからこそ責任があるという想いで、全額込みでの提供を貫徹しています。
NIPTの費用は医療費控除の対象になるのか
NIPT検査は保険対象外となり原則自費診療となります。そのため費用が高額に感じる人も少なくありません。
そこで気になるのが、医療費を一定額支払った場合に所得控除が受けられる「医療費控除」の対象にNIPTはなるのかということです。
結論から言うとNIPTは医療費控除の対象にはなりません。なぜなら医療費控除は何らかの病気の治療を伴うものに該当するものが対象となるからです。
NIPTは胎児に染色体の数の異常があるかどうかを確認するための検査であり、万が一胎児の染色体に数的な異常が見つかったとしてもそれが治療につながるものではありません。
これらの理由によりNIPTに費やされる料金は医療費控除の対象にはならないとされています。
NIPTが受けられる条件や費用を考慮して受検を検討する
NIPTの費用は遺伝カウンセリングなど検査費用に含まれる内容も異なり、それによって費用も医療機関で異なります。
さらに検査を行っているところでは全ての染色体や性染色体、染色体の微小欠失を調べることもできます。
NIPTの受験を希望する時には検査内容と費用などを考慮して検討することが大切です。
特に日本産婦人科学会認定施設とそうでない施設では受検の条件が異なり、妊婦さんによっては認定施設では受検できない可能性もあります。
担当医の紹介状が必要だったり、分娩先を変える必要が出てきたり、また完全予約制のため受検まで時間がかかったりすることもあります。
認定外施設と聞くと受検を躊躇する妊婦さんもいるかもしれませんが、認定外施設においてもこれまで出生前診断を長年実施してきた産婦人科医や臨床遺伝専門医が在籍する施設もあり、決して違法な検査が行われているわけではありません。
一方で採血だけでNIPT検査ができてしまうその簡便さから、美容外科医など専門的な知識を持たない医師が検査を行なっている施設もあるため受検する側として施設の見極めも必要です。
NIPTは認定施設や認定外施設でも受けられますが、NIPTの検査内容や費用、何より検査前後の説明や遺伝カウンセリングが受けられるかどうかを確認して施設を選択することが重要といえるでしょう。
まとめ:NIPT費用や検査目的を理解して受検するか慎重に考えよう
NIPTは妊婦さんの採血を行い胎児に特定の染色体疾患が見られるかなどを調べる出生前診断のひとつです。
検査の精度も高く、妊婦さんや胎児への影響も少ない比較的安全性の高い検査であることは間違いありません。
しかし検査費用は約20万円前後と高額である、結果は確定診断にはならない、学会認定施設では受検の条件があるなどの考慮すべき点もあります。
これらのNIPT費用や様々な条件、検査前後の遺伝カウンセリングが十分受けられるかなど十分に情報を収集し説明を受けて、夫婦が納得した上でNIPTを受検することをお勧めします。
東京・大阪でNIPTを受診するならこちら
産婦人科医のNIPT予約センター(八重洲セムクリニック[東京]・奥野NIPTセンター[大阪 奥野病院横])は、総検査数10,000件を超える豊富な検査実績と充実したアフターサポートにより多く方に選ばれています。
■NIPTの検査実績
2016年に日本で初めて無認可施設としてNIPTを提供し、日本国内の医療機関でNIPT総検査数10,000件を超える実績をもつ専門医療機関です。
■NIPTに対する高い専門性
10,000件のカウンセリングを通して妊婦さん一人一人と向き合ってきた、出生前診断歴45年を超える産婦人科医かつ国際出生前診断学会の会員である医師が検査を担当します。
■羊水検査が可能
陽性だった場合は羊水検査の実施まで責任を持って行います。他院で受ける必要はなく、その他紹介状やかかりつけ医への説明についてもご相談が可能です。
■検査会社の実績
累計検査数100,000件を超える実績を持つベリナタヘルス社へ検査を委託しています。「ベリナタ法」と呼ばれる独自のサンプリング技術によって、微小欠失まで調べることが可能です。
■国際医療輸送の実績
血液検体の輸送は、WHOが規定する国際基準に従い国際医療輸送の専門企業が担当します。検体紛失や取り違いは1度もありません。
まずは医師によるカウンセリングにてお気軽にご相談ください。
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