母体へのリスクがない「胎児ドック」の検査方法や特徴とは?判明することなども解説します

妊娠さんやパートナーにとって、生まれてくる子供の健康状態は気になるものです。
妊娠中に出生前診断を受けることで、不安を取り除きたいと考える方も多いでしょう。
出生前診断を検討している方のなかには、「胎児ドック」と呼ばれる検査方法を見聞きしたことがあるかもしれません。

「胎児ドック」とは、いったいどのような検査方法なのでしょうか。
新型出生前診断(NIPT)と比較しながら、ご紹介していきます。

胎児ドックとは

胎児ドックとは、超音波機器を用いた出生前診断のひとつです。
妊婦検診で行うエコー検査とは異なり、より正確に、かつ立体的に胎児の状態を確認できます。

医療機関によっては、「胎児スクリーニング検査」「胎児初期精密検査」と呼ばれる場合もあり、胎児ドックを実施している病院は限られています。

新型出生前診断(NIPT)との違いとは

胎児ドックと同じく、出生前診断のひとつである新型出生前診断(NIPT)。
どちらも「非確定検査」に分類されますが、検査方法などが異なります。
胎児ドックとNIPTの違いは、以下のとおりです。

胎児ドック 新型出生前診断(NIPT)
検査方法 超音波機器 採血
時期・回数 3回
・妊娠初期(10〜13週)
・妊娠中期(18〜20週)
・妊娠後期(28〜30週)
1回
妊娠9〜10週以降
判明すること 形態異常 染色体異常
精度 70〜80% 99%
料金 約2〜5万円
(医療機関により異なる)
約10〜30万円
(医療機関により異なる)

次の項目では胎児ドックと新型出生前診断(NIPT)の違いについて、詳しくお伝えしていきます。
両方の違いを確認しておきましょう。

胎児ドックの検査方法や精度

胎児ドックは、超音波機器を用いた検査方法です。
「胎児超音波検査」とも呼ばれており、形態異常や先天性心疾患の可能性について調べられます。

なお、妊婦健康診査で行われる「超音波検査」は、胎児の成長を確認するものです。
胎児ドックとは異なる点に注意しましょう。

■対象者
胎児ドックは、妊娠初期から受けられます。

  • 妊娠初期(10〜13週)
  • 妊娠中期(18〜20週)
  • 妊娠後期(28〜30週)

また、年齢制限もありません。

■診察方法
超音波機器を使って診察をするため、母体や胎児への影響が少ない検査方法です。
また医療機関によっては、3Dや4Dの超音波装着を使い、精密に胎児の状態を調べられます。

■判明すること
胎児ドックでは、形態異常の可能性を見つけることが可能です。
さらに、形態異常による染色体異常がわかる場合もあります。

■精度
胎児ドックは「確定検査」にあたる「羊水検査」や「絨毛検査」に比べると、精度は高くありません。

新型出生前診断(NIPT)の検査方法や精度


新型出生前診断(NIPT)は、妊娠さんの血液を採取して検査をする方法です。
血液に含まれた母体と胎児のDNA断片を分析し、染色体疾患の可能性を検査します。

■対象者
妊娠9〜10週頃以降の妊娠さんが対象です。
ただしNIPTを受ける場合は、一般的に以下の条件のいずれかに該当する方が対象となります。

①胎児超音波検査を受け、染色体異常の可能性がある
②母体血清マーカー検査を受け、染色体異常の可能性がある
③パートナーのいずれか、または両方に染色体異常がある
④過去に染色体異常の胎児を妊娠、または出産したことがある
⑤高年齢

上記は、日本産科婦人科学会倫理委員会によって定められた条件です。
医療機関によっては条件に該当しない場合でも、NIPTを受けられることがあります。

■診察方法
妊娠さんの血液を採取して行います。

■検査で判明すること
NIPTでは、染色体異常の可能性を調べることが可能です。

■精度
99%と高い感度を誇り、陰性的中率が高い検査です。

出生前診断は「確定的検査」と「非確定検査」に分けられます。
「確定的検査」は、検査結果により診断が確定できるものです。
「非確定的検査」は可能性を調べるもので、診断は確定できません。
新型出生前診断(NIPT)と胎児ドックは、「非確定的検査」にあたります。

確定診査は以下の2つです。

・羊水検査
・絨毛検査

「羊水検査」は、子宮に針を刺し羊水を採取して、胎児の染色体数異常や遺伝子異常、子宮内感染を検査する方法です。
一般的に、妊娠15週以降に実施されます。

「絨毛検査」は、絨毛と呼ばれる胎盤の一部を採取して、染色体異常や遺伝子疾患を診断する検査方法です。
妊娠11〜14週頃に行われます。

「確定的検査」は、NIPTや胎児ドックで結果が陽性だった場合、必要に応じて行うケースが一般的です。

また、羊水検査は1/300〜1/500、絨毛検査は1/100の確率で流産をする可能性があるともいわれています。
リスクをともなう検査であることを留意して、医療機関でよく相談をしましょう。

胎児ドックがおすすめの人

胎児ドックと新型出生前診断(NIPT)の違いについて、お伝えしました。
それぞれの違いをふまえたうえで、胎児ドックがおすすめの人は以下のとおりです。

・条件に該当しなくても出生前診断を受けたい
・費用を抑えたい
・リスクがなく安心して検査を受けたい
・視覚的に形態を確認したい

「確定的検査」の羊水検査や絨毛検査は、母体に針のようなものを刺して行われる検査で、流産や死産のリスクがあります。
一方で、胎児ドックは超音波機器で検査をするため、母体や胎児への影響はほとんどありません。

また、新型出生前診断(NIPT)とは異なり、胎児の状態を視覚的に確認できます。
費用もNIPTに比べて抑えられるので、NIPTや確定検査を受ける前に、まずは胎児ドックを受けてみるのも選択のひとつです。

それでは最後に、胎児ドッグで判明することを確認していきましょう。

胎児ドッグで判明すること

胎児ドックでは、以下のことがわかります。

・胎児の成長具合
・血液の流れ
・奇形
・形態異常

超音波機器で胎児の状態を見るため、臓器や体の形態異常を調べられます。
さらに、形態異常からダウン症候群などの染色体異常の可能性を見つけることも可能です。

一方で、以下のようなNIPTでしか判明しないものもあります。

・ダウン症候群(21トリソミー)
・エドワーズ症候群(18トリソミー)
・パトー症候群(13トリソミー)
・微小欠失症

NIPTは採血からDNAの断片を分析して検査をするため、染色体異常の可能性を調べられます。

胎児ドックではわからないことをしっかり調べたい人は、NIPTの検査を検討してみましょう。
詳しくは、こちらの記事でご紹介しています。

まとめ:胎児ドックについて理解して検査を受けよう

胎児ドックは安全性が高いうえに、受診をする際の条件がありません。
また、NIPTよりも料金が抑えられる点が大きなメリットです。
しかし、NIPTや確定診査と比べると精度は低い点はデメリットといえるでしょう。
胎児ドックで異常が見られた場合は、結果的にNIPTや確定診査を受ける必要があります。

胎児ドックをはじめとする出生前診断によって、子供の状態を知ることで、適切な出産の準備を整えられます。
一方で結果が陽性だった場合、心理的な負担を抱えることもあるでしょう。

胎児ドックを検討している妊娠さんは、パートナーやご家族と十分に話し合い、理解をしたうえで受診することをおすすめします。

安心して出産するための新型出生前診断(NIPT)という選択肢

■妊娠中のリスク管理には出生前診断が有効です

妊娠すると心身が変化をはじめ、妊婦さんとお腹の赤ちゃんは様々な要因から病気になるリスクが高くなります。出生前診断は妊娠管理の上で有益な情報源となります。

胎児に異常が見受けられる場合には早期に準備ができますし、流産しやすいなどの特徴が見られる場合は個別の対応をすることが可能になります。
早期の発見には、出生前診断の中でも採血のみで高精度の検査が可能なNIPT(新型出生前診断)がおすすめです。

■八重洲セムクリニック(東京)・奥野NIPTセンター(大阪 奥野病院横)のNIPTはこちら(新型出生前診断)
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