妊婦健診でもポピュラーな超音波検査。
おなかの赤ちゃんの状態を安全にチェックできる大事な検査です。
このコラムでは、妊婦健診で行う一般的な超音波検査で分かることや、検査の費用などを解説します。
超音波検査とは?
2つの超音波検査方法
超音波検査は、エコー(超音波)の機械を操作して行います。
安全な超音波を発する小さい装置(プローブ)を妊婦さんの体の表面に接触させ、母体のなかを見るという検査方法で、経膣法と経腹法という2種類の検査法があります。
経腟法(経腟超音波) 妊娠初期
経腟法(経腟超音波)は、経膣プローブとよばれる棒状の超音波発信装置を膣の中に挿入して検査する方法です。
主に胎嚢(たいのう)の位置や心拍確認などを行う際に使用され、妊娠初期の段階で子宮筋腫や卵巣嚢腫がないかどうかも同時に観察できます。
緊張によって力が入ってしまうと、挿入時に痛みを感じることがあるので、リラックスして受診しましょう。
経腹法(経腹超音波) 妊娠3~4か月以降
経腹法(経腹超音波)とは、おなかの外からプローブをあてる方法です。
超音波の通りをよくするためのゼリーをおなかに塗り、プローブを徐々に滑らせるようにあてるのみですので無痛です。
経腟超音波とくらべて周波数が少ないため、深いところまでよく見えます。
検査結果は画像として見るのが一般的
超音波検査の結果は、平面の画像(断面図)として表示されるのが一般的です。
病院によっては赤ちゃんの姿が見える写真をもらえることもあります。
検査結果の写真では静止画ですが、検査中の機械のモニターには、リアルタイムでの断面図が映っています。
したがって超音波検査では、胎児の心拍など動きのある情報も見られます。
病院の使用装置によっては、3Dや4Dの立体画像として表示できる場合や、動画のデータをもらえる病院もあります。
超音波検査で分かること
検査結果(平面の画像の見た目)から胎児の心拍や胎位、推定体重の測定、羊水量や胎動など状態をチェックし、きちんと成長が進んでいるかを見ます。
胎児の大きさを測ることで、妊娠週数を算出し、出産予定日の確定も行います。
そして、胎児についてだけではなく、胎盤の異常(前置胎盤)がないか、母体側に異常所見(切迫早産徴候)はないかなどを含め総合的にチェックします。
超音検査では胎児の異常を見つけることを目的とはしていませんが、何らかの異常が見つかった場合には、出生前診断としての意味をもつ通常の超音波検査より細かく調べる精密超音波検査(胎児ドック・胎児スクリーニング)での詳しい確認をお勧めする場合があります。
精密超音波検査(胎児ドック・胎児スクリーニング)についてはこちら超音波検査は、妊婦健診で受けられます
妊婦検診では、体の診察に加えて超音波検査も行います。
妊婦健診のスケジュールは?
妊婦健診は、妊娠期間中に計14回受けるように推奨されています。
- 妊娠初期~23週までは4週間に1回
- 妊娠24週~35週までは2週間に1回
- 妊娠36週~出産までは1週間に1回
上記のペースで健診を受けましょう、というのが厚生労働省の定める基準です。
また産婦人科では妊婦健診のスケジュールを具体的に教えてもらえるので、指示にしたがって通院しましょう。
超音波検査はどのくらいの頻度で行う?
妊婦健診の内容は病院によって異なりますが、毎回超音波検査を行っている病院が多いです。
超音波検査や妊婦健診の費用は?
妊婦健診にかかる具体的な費用や、公費補助の仕組みを解説します。
妊婦健診トータルの費用はおよそ10万円前後
妊婦健診の回数の基本は、計14回です。
妊娠期間の検査費用を合計すると、妊婦健診トータルの費用はおよそ10万円前後かかります。
これには、超音波検査や血液検査の費用も含みます。
また、公費補助を差し引いた自己負担額は、平均でおよそ6万円です。
ただしお住まいの地域によって、公費補助の金額が異なるので注意しましょう。
超音波検査を受けるときの費用はどのくらいかかる?
病院によって異なりますが、妊婦さんの超音波検査にかかる金額は1回で2000円前後です。
そのときの診察と合わせると、1回の受診で5000円前後かかります。
他の血液検査なども行うときは、1回の受診で1万円を超えます。
病院ごとに金額設定は大きく異なるので、事前に近くの病院について調べておきましょう。
ただし公費補助を利用できるので自己負担額はさらに下がります。
妊婦健診は自費診療です
妊婦健診は、超音波検査を含め、自費診療です。
普段、体調を崩して病院に行ったときは健康保険に入っていると3割負担になっています。
ですが妊婦健診では、医療費が全額負担になります。
健康保険はききません。
妊婦健診には公費補助があります
妊婦健診は保険がきかないので、金額を見ると普段の病院よりも高いと感じます。
そこで公費補助による「補助券」を利用して、実際の支払額を下げられるようになっています。
公費補助の金額は、地域・自治体によってさまざまです。
またその仕組みも、お住まいの地域によって異なるので注意が必要です。
妊婦健診の公費補助は、「妊婦健康診査受診票」や「補助券」などさまざまな名称で呼ばれています。
決められた必要項目の検査を受けられるチケット制度の地域と、補助金額が決まっている金券制度の地域があります。
妊娠中の医療費に、健康保険が適応されることもあります
妊婦さんに症状がある場合や異常を指摘されて診察を受ける場合は通常の健康保険診療になり、3割負担になります。
また、妊婦健診で引っかかったときの医療費や追加検査費も保険適応になる場合があります。
切迫早産、妊娠糖尿病、妊娠高血圧症候群などの合併症に対する医療費には、健康保険が適応されます。
妊婦健診の公費補助を受けるには妊娠届の提出を
公費補助を受けるには、母子手帳をもらいに行きましょう。
病院によりますが、「母子手帳をもらってもOK」と医師の判断を受けてお住まいの市区町村の役所に書類(妊娠届)を提出し、母子手帳を受け取る、という流れが一般的。
そして母子手帳と一緒に、公費補助のための「妊婦健康診査受診票」や「補助券」をもらうことができます。
「受診票」や「補助券」を受け取るまでの間は、妊婦健診を正しく受けていても検査費用が全額自己負担になってしまいます。
産婦人科に通い始めたら、いつごろ母子手帳を取りに行ったらいいか医師に確認しておきましょう。
超音波検査の注意点
妊婦検診における超音波検査では、胎児の状態を詳しく調べることができますが、見つけられない先天的な異常もたくさんあります。
その代表的な疾患には以下のようなものがあります。
- 皮膚の病気
- 心疾患を除く知的障害・視覚や聴覚の障害
- 染色体や遺伝子異常の確定診断
上記のことから、エコー検査でわかる異常は、あくまで目に見える範囲のことだけということがわかります。
特に、染色体異常については可能性の高さを測ることはできても確定診断はできません。
超音波検査で異常が見つかった際は、より詳しく可能性を知るため、別の検査を受けるか、ご家族や医療機関とよく話し合い検討する必要があります。
安心して出産するための新型出生前診断(NIPT)という選択肢
■妊娠中のリスク管理には出生前診断が有効です
妊娠すると心身が変化をはじめ、妊婦さんとお腹の赤ちゃんは様々な要因から病気になるリスクが高くなります。出生前診断は妊娠管理の上で有益な情報源となります。
胎児に異常が見受けられる場合には早期に準備ができますし、流産しやすいなどの特徴が見られる場合は個別の対応をすることが可能になります。
早期の発見には、出生前診断の中でも採血のみで高精度の検査が可能なNIPT(新型出生前診断)がおすすめです。
■八重洲セムクリニック(東京)・奥野NIPTセンター(大阪 奥野病院横)のNIPTはこちら(新型出生前診断)
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