さまざまなリスクがあるといわれている高齢出産。
35歳以上で出産することを高齢出産に該当し、2016年の調査では生まれた赤ちゃんのうち、およそ30%が高齢出産に該当しています。
1980年代と比べると、80年代には第1子出産時の年齢は平均でおよそ26歳でしたが、2015年ではおよそ30歳と出産の高齢化は進んでいます。
この記事では、高齢出産には実際にリスクがあるのか、どのようなリスクがあるのか、また、リスクをできるだけ抑える方法についてお伝えします。
高齢出産にはリスクが伴う
さまざまな調査の結果、高齢出産にはリスクがあることがわかっています。
生殖医療の進歩によって出産できる年齢の上限は上がっていますが、高齢出産のリスクがなくなったというわけではありません。
リスク①流産しやすい
高齢での妊娠では若いときに比べて、流産しやすくなります。
20代の場合の流産率はおよそ10%ですが、30~34歳ではやや上昇し12.4%です。
35歳を超えると流産率はさらに上昇し、35~39歳では20.6%、40~44歳では43.6%です。
加齢によって流産が増える理由は、卵子の染色体に異常が起こる頻度が増えるためです。
リスク②ダウン症など染色体異常の頻度が高くなる
高齢での妊娠では若いときに比べて、赤ちゃんが染色体異常をもっている確率が高くなります。
代表的な染色体異常が、ダウン症です。
調査によると、妊婦さんが20歳の場合、赤ちゃんがダウン症を発症するのは1667人に1人で、30歳の場合は952人に1人です。
これが40歳となると、106人に1人と確率がかなり上昇します。(およそ1%)
またダウン症だけでなく、赤ちゃんが何らかの染色体異常をもって生まれる確率も、 妊婦さんの年齢が上がるにつれて増えます。
これも、流産しやすくなる理由と同じく、染色体に異常が起こる頻度が増えるためです。
リスク③母体の異常が起こりやすくなる
高齢での妊娠では、妊娠高血圧症候群や妊娠糖尿病など合併症を発症しやすくなります。
このような妊娠の合併症は、妊婦さんと赤ちゃん双方にとってとても危険です。
妊婦さん自身が体調に変わりはないと考えていても、医師がハイリスクと考えて入院が必要と判断することも多いので、突然入院を言い渡されるというパターンも想定しておきましょう。
妊娠高血圧症候群とは、妊娠中に高血圧をきたし、腎臓などさまざまな臓器の障害を引き起こす疾患です。
妊娠糖尿病とは、妊娠がきっかけで血糖値が上がり糖尿病に近い状態になる疾患です。
どちらも赤ちゃんにも影響を与えることがある危険な疾患なので、妊娠中の重大なリスクになります。
妊娠高血圧症候群は、妊婦さんの年齢が40歳以上の場合、約8%の確率で発症します。(35歳未満の場合のほぼ2倍の確率です)
高齢出産によるリスクを抑える
高齢出産に伴うさまざまなリスクを抑えるために、気をつけるポイントをご紹介します。
定期健診に通い医師の指示のもと生活習慣に気をつける
定期検診は、おなかの赤ちゃんの状態をチェックしてもらうほか、妊婦さん自身の健康状態を診ていくという意味でも大切です。
高齢での妊娠でリスクが上がる妊娠高血圧症候群や妊娠糖尿病といった合併症は、赤ちゃんにも影響を与えることがあります。
これらを早期発見するためにも、決められた回数の定期検診に通って診察を受けましょう。
また、定期健診の際に医師から生活習慣についての指示があります。気をつけるべき生活習慣は、高齢出産に限ったものではありませんが、比較的リスクが高いとされる高齢出産の場合はより注意が必要です。
肥満にならないようにする
妊娠高血圧症候群や妊娠糖尿病は肥満であることもリスクになるので、体重が増えすぎないように医師のアドバイスを聞いて正しい体重管理を心がけましょう。
一般的には、妊娠による適切な体重増加の目安は出産までで7~12kgといわれていますが、実際には個人差が大きいので、検診の結果をみながら体の状態を良好に保つ必要があります。
妊娠糖尿病を予防するために、血糖値を上げすぎないように糖分を控えたり、食事のときに野菜を先に食べたりという心がけも大事です。
痩せすぎないようにする
肥満に気をつけるとともに、やせすぎていることも問題となるので注意しましょう。
妊婦さんがやせすぎていると、早産や低出生体重児のリスクになります。
葉酸を摂取する
先天異常が起きる確率を下げるために、葉酸の薬を飲むようにおすすめすることが多いです。
これは、「神経管閉鎖障害」を予防するためです。
禁煙する
喫煙者の方は、妊娠中は必ず禁煙しましょう。
妊娠中にタバコを吸っていると、早産や低体重児のリスクになります。
禁酒する
妊娠中は飲酒は、流産、死産、先天異常のリスクを高めるため絶対に避けてください。
出生前診断を受ける
高齢出産で起こる染色体異常自体を防ぐことはできませんが、赤ちゃんが染色体異常をもっているかどうかを調べることはできます。
染色体異常があるか事前に知りたいと考えている方は、出生前診断を受けることを検討してみましょう。
出生前診断には羊水検査だけでなく、妊婦さんからの採血だけでできる母体血清マーカーテストや新型出生前診断(NIPT)という方法もあります。
いきなり羊水検査をするのではなく、これらの血液検査を受けて染色体異常の可能性が指摘された場合に確定診断のために羊水検査を行う、という方法は妊婦さんの体への負担も少ないです。
母体血清マーカーテスト
母体血清マーカーテストとは、妊婦さんの血液中の成分から赤ちゃんの疾患を判定する検査で、妊娠15~18週の方が、検査を受けられます。
母体血清マーカーテストは、赤ちゃんが、ダウン症候群(21トリソミー)、18トリソミー、開放性神経管奇形を発症していないかを調べる検査です。
新型出生前診断(NIPT)
新型出生前診断(NIPT)とは、妊婦さんの血液中に含まれる赤ちゃんの染色体から、赤ちゃんの疾患を判定する検査です。
妊娠10~18週の方が、検査を受けられます。
新型出生前診断(NIPT)では、赤ちゃんが、ダウン症候群(21トリソミー)、18トリソミー、13トリソミーを発症していないかを調べます。
羊水検査
35歳以上であり高齢出産に該当する妊婦さんは、最初から羊水検査を受けることもできますが、羊水検査は流産のリスクがゼロではないので、できるだけ避けたいと考える方もいるでしょう。
赤ちゃんの先天異常についての専門的なカウンセリング(遺伝カウンセリング)を受けられる病院もたくさんあります。
自分と赤ちゃんを第一に考える
妊娠中の体は、これまで知っていた自分の体の状態とは全く違っているため、無理をしすぎず自分と赤ちゃんの安全を第一に考えることが大切です。
とくに高齢妊娠の方は「自分はリスクが高いのだ」と自覚し、体調管理には十分注意を払いましょう。
また、30代でこれから妊娠を計画している方は、妊娠前から健康状態を整えておきましょう。
体重管理や、血圧、血糖値を適切な状態にしておくことで、妊娠の際のリスクを下げることにつながります。
自身の体にも、赤ちゃんの体にもよりよい選択をしていきましょう。
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