NIPT(新型出生前診断)とは、子どもが生まれてくる前に「その子が特定の染色体疾患をもっているかどうか」を調べられる検査です。
いろいろな種類がある「出生前診断」のうちの、1つの方法がNIPT。
NIPTでわかる染色体疾患は、「ダウン症候群(21トリソミー)、エドワーズ症候群(18トリソミー)、パトー症候群(13トリソミー)」です。
このコラムでは、NIPTを受ける際の適応条件についてご紹介します。
また、「条件を満たしていないけれど検査を受けたい」という方向けの情報もご紹介します。
NIPTはだれでも受けられる?
妊娠している方は、基本的にはだれでもNIPTを受けることができます。
ただし、病院によっては適応条件が設定されていて、条件を満たさないとNIPTを受けられないことがあるので、病院のホームページなどで確認しておきましょう。
条件なしでNIPTを受けられる病院もたくさんあります。
適応条件が存在するのは、NIPTの検査結果によっては妊婦さんや赤ちゃんに大きく影響を与えるからです。
胎児の染色体疾患のリスクが高い妊婦さんにNIPTを受けてもらえるように、日本産科婦人科学会が適応条件を発表しています。
NIPTの適応条件
NIPTを受けるのに条件を設定している病院では、日本産科婦人科学会が決めた適応条件を採用しています。
そのため、条件がある場合、どの病院でもほぼ同じ適応条件です。
以下のどれか1つに該当する方。
- 高齢出産の方
- 染色体数的異常を有する児を妊娠した既往のある方
- 胎児超音波検査で胎児が染色体数的異常を有する可能性が示唆された方
- 母体血清マーカー検査で胎児が染色体数的異常を有する可能性が示唆された方
- 胎児の両親のいずれかが均衡型ロバートソン転座を有していて、胎児が13トリソミーまたは21トリソミーとなる可能性が示唆される方
ここからは、それぞれの条件について解説します。
1:高齢出産の方
高齢出産の目安は、出産予定日の年齢が35歳以上の方です。
また、35歳未満の方でも医師との相談のうえでNIPTを受けられる病院もあります。
2:染色体数的異常を有する児を妊娠した既往のある方
今までに出産した子どもが、「ダウン症候群(21トリソミー)、エドワーズ症候群(18トリソミー)、パトー症候群(13トリソミー)」のいずれかと診断されている方が該当します。
3:胎児超音波検査で胎児が染色体数的異常を有する可能性が示唆された方
胎児超音波検査とは、NIPTと同様に「出生前診断」のうちの1つの方法です。
超音波(エコー)で胎児の形態をチェックする検査です。
胎児超音波検査で、胎児が「ダウン症候群(21トリソミー)、エドワーズ症候群(18トリソミー)、パトー症候群(13トリソミー)」のいずれかと指摘された方が該当します。
4:母体血清マーカー検査で胎児が染色体数的異常を有する可能性が示唆された方
母体血清マーカー検査も、NIPTと同様に「出生前診断」のうちの1つの方法です。
母体血清マーカー検査は、「クアトロテスト」や「トリプルマーカー」という検査法があり、ダウン症候群(21トリソミー)、エドワーズ症候群(18トリソミー)、神経管閉鎖不全症(二分脊椎、無脳症)をチェックする検査です。
母体血清マーカー検査で、胎児が「ダウン症候群(21トリソミー)、エドワーズ症候群(18トリソミー)」のいずれかと指摘された方が、この条件に該当します。
5:胎児の両親のいずれか(妊婦さんもしくはパートナーの方)が均衡型ロバートソン転座を有していて、胎児が13トリソミーまたは21トリソミーとなる可能性が示唆される方
均衡型ロバートソン転座は、染色体異常の一種です。
染色体に「転座」という異常が起こる疾患で、「転座」にはいろいろなパターンがあります。
両親のいずれかが14;21転座の場合、胎児はダウン症候群(21トリソミー)の可能性があります。
また、両親のいずれかが13;14転座の場合、胎児はパトー症候群(13トリソミー)の可能性があります。
これらはNIPTでチェックできるため、NIPTの適応です。
適応条件を満たしたうえで、NIPTのために病院に複数回通う必要があります
適応条件を設定している病院では、日本産科婦人科学会の基準にしたがって検査の流れを決めています。
そのため、検査日よりも事前に、夫婦2人で「遺伝カウンセリング」を受ける、などの規定があります。
なので、NIPTの検査(採血)自体は1回の受診で済みますが、その前後で複数回病院を受診する必要があります。
それぞれの病院ごとに、受診しなければならない回数に細かい規定があるので、ホームページなどで確認しましょう。
条件を満たしていないけれどNIPTを受けたい方にも、検査は可能です
さきほど説明した適応条件に該当しない妊婦さんも、一般に「認可外」と呼ばれている病院ならNIPTを受けることができます。
ここからは、「認可外」の病院について解説します。
「無認可」、「認可外」の病院とは?認定施設の基準とともに解説
年齢制限や適応条件がなく、どの妊婦さんでもNIPTを受けることができる「認可外」の病院について解説します。
日本医学会からの認定を受けていない病院を「無認可」「認可外」と呼ぶ
日本産科婦人科学会が発表している基準を満たしておらず、認定を受けてない病院は、世間的に「無認可」や「認可外」の病院と呼ばれています。
その反対に、認定を受けている病院は一般に「認可施設」や「認定施設」と呼ばれます。
認定施設に選ばれている病院は少ない
認定施設に選ばれるためには、厳しい施設基準を満たす必要があります。
そのため認定施設は大都市圏の総合病院がほとんどで、地方都市だと県内で1か所であることが多いです。
認定施設の基準
- 常勤の産婦人科専門医がいること。
- 常勤の小児科専門医がいること。
- またどちらかが臨床遺伝専門医である必要があります。
- 認定遺伝カウンセラーまたは遺伝看護専門看護師が在籍していること。
この基準を満たせるのは、かなり大規模な病院だけです。
希望する妊婦さんがNIPTを受けられるように、「常勤の産婦人科専門医がいれば可能」といった基準に緩和しようという動きも2019年にありましたが、今のところ条件緩和の予定はありません。
「無認可」「認可外」の病院でNIPTを受けても大丈夫?
無認可の病院でNIPTを受ける場合は、病院選びが大切です。
認定施設は、日本産科婦人科学会が決めた基準にしたがって検査の流れを決めているため、NIPTの前後のフォロー体制にも決められた流れがあります。
しかし、無認可の病院では、病院によって検査前後の流れがバラバラです。
NIPTの検査(採血)の日だけ受診すればよく、結果は郵送やメールで受け取れる病院も多いです。
NIPTの結果によってはとても重要になる「遺伝カウンセリング」や、「羊水検査を行う場合はどうなる?」などの必要事項を確認しておくことが大切です。
NIPTは妊娠のいつごろに受けられる?
NIPTは適切な検査時期が決まっており、妊娠10週~15週ごろに検査を行います。
妊娠10週以降なら検査が可能ですが、結果によっては後の対応が必要になので、遅くとも妊娠15週ごろまでに検査します。
まとめ
NIPTを受ける際の選択肢として、年齢制限や適応条件がある「認定施設」と、希望する方はだれでもNIPTを受けられる「無認可」、「認可外」の病院があります。
妊婦さん・パートナーにとって、合う病院を選びましょう。
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産婦人科医のNIPT予約センター(八重洲セムクリニック[東京]・奥野NIPTセンター[大阪 奥野病院横])は、総検査数10,000件を超える豊富な検査実績と充実したアフターサポートにより多く方に選ばれています。
■NIPTの検査実績
2016年に日本で初めて無認可施設としてNIPTを提供し、日本国内の医療機関でNIPT総検査数10,000件を超える実績をもつ専門医療機関です。
■NIPTに対する高い専門性
10,000件のカウンセリングを通して妊婦さん一人一人と向き合ってきた、出生前診断歴45年を超える産婦人科医かつ国際出生前診断学会の会員である医師が検査を担当します。
■羊水検査が可能
陽性だった場合は羊水検査の実施まで責任を持って行います。他院で受ける必要はなく、その他紹介状やかかりつけ医への説明についてもご相談が可能です。
■検査会社の実績
累計検査数100,000件を超える実績を持つベリナタヘルス社へ検査を委託しています。「ベリナタ法」と呼ばれる独自のサンプリング技術によって、微小欠失まで調べることが可能です。
■国際医療輸送の実績
血液検体の輸送は、WHOが規定する国際基準に従い国際医療輸送の専門企業が担当します。検体紛失や取り違いは1度もありません。
まずは医師によるカウンセリングにてお気軽にご相談ください。
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