新型出生前診断の現状は?どんな課題があるの?

NIPT(非侵襲的出生前遺伝学的検査)をご存知でしょうか?NIPTは妊娠をした母親の血液から胎児の遺伝子の情報を出生前に知るため検査です。

NIPTを使うことで、直接胎児に影響を与えることなく、簡単に検査することができるようになりました。

NIPTは2011年にアメリカで臨床検査が開始されました。2013年には日本でも開始されており、受検者数や対象疾患も世界的に増加傾向にあります。この記事では、2020年8月にNIPTに関するワーキンググループの調査報告を元に、NIPTの現状について詳しくお伝えして行きます。

この記事を読んで、NIPTの検査を取り巻く現状と課題を知った上で、NIPTについて考えてみましょう。

NIPT調査報告から見える現状の概況

厚生労働省 母体血を用いた出生前遺伝学的検査(NIPT)の調査等に関するワーキンググループ(第4回)の資料によると、ワーキンググループによるNIPTに関する衛生検査所やNIPTに関わる施設を対象とする調査結果の報告が行われました。

調査対象は全国にある衛生検査所929検査所で、そのうち375施設から回答が得られました。さらに、全国のNIPT実施認定施設92施設と非認定施設51施設を対象に施設アンケート調査を行った結果、認定施設では71施設から回答があり、非認定施設では9施設から回答を得られました。

この調査報告に沿って、NIPTの現状についてまとめてみました。

NIPT(出生前診断)の現状

2013年〜2019年の6年間で、NIPTの検査総数は72,526件(認定施設86施設)でした。検査を受けた人の平均年齢は38.4歳、妊娠週数13.1週でした。検査を受けた人のうち、陽性者数は1,299件、確定検査実施数1,092件のうち真の陽性者数は984件、妊娠中断率は78%、偽陰性率は0.01%でした。

また、NIPTと比較して、羊水検査数は2018年は15,000件でした。羊水検査数は2014年以降減少している傾向にあります。この背景には、NIPTの精度の高さが影響ものとして考えられているようです。

NIPTを実施する施設は認定施設と非認定施設がある

冒頭にて述べましたNIPTを受けられる施設である認定施設と非認定施設についても詳しく解説しましょう。

現在日本にある認定施設は全国で92施設、非認定施設は55施設です。(2019年)いずれも大都市圏に集中している傾向にあります。非認定施設には美容系診療科が最も多いという特徴と、NIPTの検査内容についても、年齢制限を設けていないことや、21・13・18トリソミー以外の検査も提供するという特徴もあります。

また、非認定施設は海外の検査会社へ解析を委託しています。このようなことから、実際には非認可施設での検査数の方が多いことが予測されているという現状です。

非認定施設では25歳以上〜35歳未満も多く受けている

認定施設と非認定施設では、NIPTの検査を受ける人の層に変化があります。認定施設では、35〜40歳未満の人の検査数が5487件(2018年)、40歳以上の人の検査数が6495件でした。

一方で、非認定施設では、25〜30歳未満の人の検査数が220件(2018年)、30〜35歳未満の人の検査数が849件(2018年)でした。

非認定施設では、NIPT検査を受ける年齢制限がないことからも、非認定施設の方が受検者の年齢は若い傾向があるということがわかりました。

NIPT費用は低下傾向にある

検査を受けるためには検査費用も大事な確認項目です。NIPT検査が開始された当時は1回の検査あたり約20万円程の費用がかかっていました。

現在では、非認定施設で平均16万円の費用にまで低下傾向にあるようです。また、非認定施設では性別判定、微小欠失検査などのオプション追加で価格は高くなります。

新型出生前診断の課題

NIPT検査が普及している現在、NIPT検査の課題も浮き上がってきました。最後にNIPT検査の課題についてもどのようなことが議論されているのかをみてみましょう。

遺伝カウンセリングの実施の有無や質

NIPT検査は妊婦が必ず受けなければならない検査ではありません。検査を受けたい人もいれば、検査を受けたくない人もいます。

検査を受けるかどうかは妊婦とパートナーの選択になります。そのために、医師は適切な情報を提供をしなくてはいけません。検査の説明をそもそも聞くことを望んでいるのかどうかを把握し、必要なときには検査前後の遺伝子カウンセリングを受けられる環境を整える必要があります。

調査によると、認定施設では65件(91.5%)の施設が75%以上の受検者に遺伝カウンセリングを行っていました。

一方で、非認定施設では、50~75%未満が4件、75%以上が4件という結果でした。このように、遺伝カウンセリングの有無に差が生じているようでした。また、検査後の遺伝カウンセリングを認定施設では全て対面で行っていますが、非認定施設では対面以外に電話やメール、オンラインを利用しているという特性もありました。

この違いに対する課題として、非認定組織からは、現在の認定制度について、人員体制やカウンセリング等の制限に対する意見が報告されています。

全国に認定施設がない県は11県も

NIPT受けたいのにアクセスがないという現状も課題の1つです。認定施設は92施設ありますが、日本47都道府県のうち、11県では認定施設がありません。また、非認定施設も54施設ありますが、その多くは、東京、大阪、埼玉、神奈川、愛知、福岡などの大都市に集中しています。

認定施設がない11県のうち、沖縄県以外は非認定施設もありません。このように、住んでいる場所や地域によって、NIPT検査へのアクセスの差が生じています。

検査を取り巻く社会的問題を妊婦やパートナーに負わせない

NIPTなどの出生前検査は、病気や障害をもつ子どもを産むことに対して否定的な認識を強める可能性があります。これを差別に繋げることがないように、病気や障害をもつ人と一緒に暮らすことができる社会風土と、平等な社会の構築が必要です。

また、調査の中で、「中絶の選択肢を否定されているように感じた」と回答する受検者もいました。検査の普及により、検査を受けるか受けないか、産むか産まないかの葛藤を抱える妊婦とパートナーは増えています。検査を受けるかどうか、産まない選択肢を選んだ妊婦とパートナーだけが道義的に責任を負わされるのは理不尽ですね。

このような課題に社会全体として向き合い、解決に取り組まなければなりません。

まとめ:出生前診断の現状を知って検査について考えよう

この記事では、NIPTの現状と課題を調査結果に基づいてまとめました。近年、NIPT受検者は増えている一方で、NIPT検査を受ける環境の整備はまだまだ課題が山積みです。

NIPT実施施設に認定施設と非認定施設があること、検査説明や遺伝カウンセリングを実施、または任意の実施にしているところもあり、認定施設においても標準化されていないことなどがありました。出生前診断をしてどのような結果になっても妊婦やそのパートナーが安心して育てられるよう、社会全体として考えていきましょう。

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