反対されがちな出生前診断を受診する意味とは?わかる病気などをあらためて確認しましょう

妊娠中、子供の健康状態が気になるという方も多いのではないでしょうか。
高齢出産や初産であればなおさらで、不安をなくしたいとの理由で出生前診断を受ける方も少なくありません。

事前に病気がわかれば、適切な環境を整えられます。
しかし、なかにはさまざまな理由から人工中絶を選択する人がいるのも事実です。
今回は、反対されがちな出生前診断について、受診をする意味について解説していきます。

出生前診断を反対する前に、受診する意味を考えよう

出生前診断とは、妊娠中に胎児の状態を確認する検査のことです。
出生前診断には疾患の診断を確定させるための「確定的検査」と、疾患の可能性を調べるための「非確定検査」があり、形態異常や染色体異常など先天性疾患を調べられます。
出生前診断の目的は、子供の疾患の有無を知り、治療へのサポート体制を事前に準備することです。

一方で、経済的理由や子育ての不安などの理由から、疾患がわかった時点で産まない選択をする人もいるため、「命を選択しているのでは」と反対の意見もあります。
ここからは、出生前診断を受ける意味についてくわしくみていきましょう。

胎児の病気を早期発見&治療ができる可能性

胎児に疾患がみつかった場合、妊娠中に治療をはじめられる場合があります。
また、病気によっては生まれてからすぐに治療が必要になることも少なくありません。
出生前診断をおこなって病気を発見できれば、早期回復が見込める可能性があるのです。

育てられる環境の確認(経済面)

胎児の疾患が事前にわかれば、育児環境を事前に整えることができます。
子育てにはお金がかかりますが、病気がみつかればさらに高額の治療費が必要になります。
今後の生活を考えるために、出生前診断を受ける方も多いです。

母親・父親の心の準備

出産後に病気があることを知った場合は、母親・父親ともに心の準備ができておらず、子供の成長や子育てに不安を覚える可能性があります。
しかし、事前に病気があることがわかれば出産までに環境を整えることができます。
次第に心の準備もできてくるので、事前に知ることは大きなメリットといえるでしょう。

反対前に知りたい出生前診断でわかる病気とは

ここまで出生前診断を受診する3つの意味について解説してきました。
病気の早期発見や治療の可能性や、心の準備ができることを考えると、出生前診断を受ける意味はあるといえます。

それでは、出生前診断ではどのような病気がわかるのでしょうか。
出生前診断と聞くと、ダウン症だけがわかるイメージがありますが、実際はほかの病気がみつかる場合があります。出生前診断に反対する前に、出生前診断でわかる病気のことを知っておきましょう。

ダウン症(21トリソミー)

ダウン症は、21番目の染色体が通常よりも1本多い、3本あることで起こる先天異常です。

発症率 約600〜800人に1人
特徴 ・筋肉の緊張が弱く発達がゆっくり
・心疾患などの合併症をもつ場合がある
進学 ・地域の小中学校(普通学級か特別支援学級)
・特別支援学校
・高校は大半が特別支援学校へ進学
就職 飲食店や施設での軽作業での仕事から、画家や音楽家まで、分野を問わず自分の強みを活かして活躍

ダウン症は600〜800人に1人に割合で生まれるとされており、筋力や言葉などの発達が比較的遅めである点が特徴です。
しかし、早期療育によって知的・身体的能力が向上するともいわれており、大学進学や就業している人も少なくありません。

また、ダウン症の約50%が心室中隔欠損症や共通房室弁口などの先天性心疾患、約5%が消化管奇形をもっています。
そのほかにも、以下のような病気が発症することが多くあります。

・甲状腺疾患
・白血病
・糖尿病
・急性骨髄性白血病
・先天性白内障

平均寿命は約60歳ですが、近年では医療の発達によって平均寿命は延びています。
合併症は人それぞれで、上記の症状があらわれない人もいます。

13トリソミー(パトウ症候群)

パトウ症候群ともいわれる13トリソミーは、13番目の染色体が3本ある数的異常です。
母親の年齢が高いほど、子供が13トリソミーである可能性が高くなります。

発症率 約5,000人に1人
特徴 【身体的異常】
・体格が小さい
・口唇裂や口蓋裂
・小眼球症
・耳の位置が低い
・難聴
・多指症

【その他の異常】
・心疾患
・重度の知的障害
治療 13トリソミーに対する特別な治療はない
予後 ・80%が1ヶ月以内に死亡
・1年以上生存できるのは約10%未満

13トリソミーは、体格の小ささや口唇裂、網膜の発育不良など、顔に多くの異常がみられるのが特徴です。
また、子供の約80%に心疾患があるほか、男児は停留精巣と陰嚢の異常、女児は子宮の形態的異常がみられます。

13トリソミーに対する有効な治療法はまだ確立されていません。
しかし、合併症への治療として、心臓手術や人工呼吸器の使用、点滴や内服薬の投与などがおこなわれます。

また、多くの疾患を合併しているため平均寿命が短いといわれていますが、合併症の度合いなどによって、寿命の長さは一人ひとり異なります。
多くの支援が必要となりますが、医療の発達により自宅療養をするケースもあるのです。

18トリソミー(エドワーズ症候群)

18トリソミー(エドワーズ症候群)は、18番目の染色体が1本多いことで発生する病気です。
妊婦さんの年齢が高くなるにつれ18トリソミーになる可能性が高く、胎児の多くは自然流産になります。

発症率 約4,000〜10,000人に1人
特徴 【身体的異常】
・体格が小さい
・頭が小さい
・胸骨が短い
・耳の位置が低い
・揺り椅子状足底
・手指の重なり

【その他】
・心疾患
・肺疾患
・消化器合併症
・泌尿器系合併症
治療 18トリソミーに対する特別な治療はない
予後 ・約半分が生後1週間以内に死亡
・1年以上生存できるのは約10%未満

18トリソミーは、男児よりも女児に多くみられるのが特徴です。
生まれたときから身体的異常がみられる場合と、新生児の時点では異常が重度ではない場合があります。

また、18トリソミーに対する有効な治療法はまだ確立されていません。
そのため合併症の治療がメインとなりますが、心臓手術などの治療により、少しずつ改善するとされています。

出生前診断の目的について理解して検討しよう

病気を事前に見つけることで、育児の対する心の準備をすることができます。
また、「21トリソミー(ダウン症候群)」「13トリソミー(パドウ症候群)」「18トリソミー(エドワーズ症候群)」のことを事前に理解していれば、仮にそのような事実がわかったとしても、冷静に考えることができるようになります。

出生前診断についてはさまざまな意見がありますが、パートナーと十分に話し合うことが大切です。
出生前診断を受ける意味を理解し、受けるかどうか判断しましょう。

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