出生前診断の種類や検査の内容を分かりやすく解説

妊娠中の胎児について、染色体異常などの可能性を調べることができる出生前診断にはどのような種類があり、どのような検査が行われるのでしょうか?今回は出生前診断の中でも比較的よく行われている検査の種類や、受けることができる時期を解説します。

出生前診断とは?どんな種類があるの?

出生前診断とは、妊娠中に胎児になんらかの染色体異常や遺伝子異常、あるいは奇形や疾患などの可能性がないかどうかを調べるために行う検査の総称です。

出生前診断先進国であるイギリスではすでに2004年からすべての妊婦に出生前診断を受けることが求められているほか、アメリカでも60%の妊婦が出生前診断を受けていると言われています。

日本でも近年、高齢出産を控える妊婦が増えたことなどから出生前診断の認知度などは向上していますが、実施率はわずか2%程度と欧米諸国と比べると、普及率に圧倒的な差があります。

出生前診断の種類は、「 確定的ではないが母体や胎児にかかる負担の少ないスクリーニング検査」と「身体への侵襲はあるけれど検査結果はほぼ100%に近い確定診断」に大別されます。

スクリーニング検査

母体や胎児への身体的負担および、感染症や流産などのリスクがきわめて低い検査で「胎児超音波(エコー)検査」「母体血清マーカーテスト」「NIPT(新型出生前診断)」などの出生前診断の種類があります。

新型出生前診断は母体血清マーカーテストなどの血液を採取する従来の出生前診断と比較すると、感度や特異度から見る検査の精度がきわめて高いことから「新型」として区別されています。

確定診断

非侵襲的検査と比べると、出生前診断の種類としては母体や胎児への身体的負担がある程度大きく、また検査を受けたことによってごく稀に感染症や流産を招く可能性がある検査です。確定診断のうち最も多く採用されているのが「羊水検査」、続いて「絨毛検査」です。

確定診断には胎児から直接血液を採取する「胎児血検査」もありますが、胎児への身体的負担が大きいため危険であることや、熟練度が求められることなどから、この方法以外に検査手段がない場合などに行われることがあります。

なお、これらいずれの検査においても“すべての染色体異常や遺伝子異常”などが発見できるわけではなく、出生前に分かるのは一部の染色体異常や遺伝子異常、奇形、疾患などになります。

出生前診断の種類別の検査内容について

出生前診断の種類別の検査ごとに、具体的な内容や受けることができる時期などについて解説します。

胎児超音波(エコー)検査

一般的な妊婦健診で行われる検査ですのでお馴染みの方も多いことと思いますが、胎児の「形」から異常の有無を調べる検査で、たとえば胎児の首の後ろの浮腫を診ることで21トリソミー(ダウン症候群)の可能性などをある程度判断することができます。

しかしながら、一般的な超音波検査による所見でなんらかの異常を判断するには限界があり、もし異常の可能性があると診断された場合は、その他のより精密な検査を受けることになるケースが多いようです。

母体血清マーカーテスト

妊娠15~17週に行われる検査で、母体から採取した血液のうち3種類~4種類の成分について調べることによって21トリソミー、18トリソミー(エドワーズ症候群)、開放性神経管奇形の可能性について調べる検査です。

母体から採血するだけであるため、胎児はもちろん母体にも身体的負担が小さい検査ではありますが、出生前診断の種類としては確定には至りませんので、検査の結果なんらかの異常の可能性があるという場合は、羊水検査など確定的検査を受けることになるでしょう。

なお、後述のNIPTが急速に広まったこともあり、母体血清マーカーテストを行う妊婦の数は今後減っていくのではないかと考えられています。

NIPT

妊娠10~18週に行われる検査で、新型出生前診断/母体血胎児染色体検査などとも呼ばれます。2013年から日本でも行われている新しい種類の出生前診断で、母体血清マーカーテスト同様に母体から採血してその成分を調べることで21トリソミー、18トリソミー、13トリソミー(パトー症候群)について調べることができます。

母体血清マーカーテストでは21トリソミーの精度が80~86%程度だったのに対し、NIPTでは99%とその精度が大幅に向上していますが、検査を受けるためにはさまざまな条件に当てはまらなければならないなど高いハードルがあります。

羊水検査

主に妊娠16週以降に行われる検査で、妊婦の腹部に長い注射針のような針を刺して羊水を採取し、そこに含まれる胎児の細胞などを分析することで染色体異常の有無を調べる検査です。精度はほぼ100%と言われており、スクリーニング検査の結果によってその可能性を確定させるために行われます。

絨毛検査

主に妊娠10~14週に行われる検査で、妊婦の腹部に針を刺すか、子宮頸部にカテーテルを挿入することで絨毛を採取して染色体異常について調べる検査です。羊水検査同様、精度はほぼ100%と言われています。

出生前診断の種類では、羊水検査、絨毛検査いずれにおいても母体や胎児の身体的負担が比較的大きくなり、針などを挿入することによって感染症や流産などのリスクが生じます。これらの確定診断を行う場合は、事前にそのようなリスクについても十分把握し、配偶者や医師とよく相談することをおすすめします。

出生前診断を受けることでさまざまなメリットがある

出生前診断にはさまざまな種類がありますが、これらを受けることによって、妊娠中の胎児になんらかの染色体異常や遺伝子異常がないか、奇形や疾患がないかといったことを調べることができます。

この検査で得られるメリットとしては、陰性だった場合に安心して妊娠を継続することができるということもあります。

また、万が一陽性だった場合でも、親としての心の準備をすることができたり、出生後すぐに治療に取り掛かる準備ができたり、出産までの間に育て方やその病気についてじっくり学び、考える時間を持てたりするなどさまざまなメリットがあります。

なお、一般的なNIPTでは現在、21トリソミー、18トリソミー、13トリソミーについてのみ調べることができますが、1~22番の常染色体や性染色体まで調べることができるNIPTもあります。

それは、八重洲セムクリニックおよび奥野病院が採用している“Verifi Plus”という検査です。

先述したように1~22番の常染色体について調べることができるほか、性別判定や、モノソミーX(ターナー症候群)など性染色体についても調べることができます。

万が一陽性の場合も、無料で羊水検査を受けることも可能です。

また、一般的なNIPTのように年齢制限その他の厳しい条件もなく、妊娠10週以上の妊婦であれば、誰でも受けることが可能です。

妊娠や出産に対して不安を持っている方は、“Verifi”および“Verifi Plus”を検討してみてはいかがでしょうか。

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2016年に日本で初めて無認可施設としてNIPTを提供し、日本国内の医療機関でNIPT総検査数10,000件を超える実績をもつ専門医療機関です。

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10,000件のカウンセリングを通して妊婦さん一人一人と向き合ってきた、出生前診断歴45年を超える産婦人科医かつ国際出生前診断学会の会員である医師が検査を担当します。

■羊水検査が可能

陽性だった場合は羊水検査の実施まで責任を持って行います。他院で受ける必要はなく、その他紹介状やかかりつけ医への説明についてもご相談が可能です。

■検査会社の実績

累計検査数100,000件を超える実績を持つベリナタヘルス社へ検査を委託しています。「ベリナタ法」と呼ばれる独自のサンプリング技術によって、微小欠失まで調べることが可能です。

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