NIPT(non-invasive prenatal genetic testing、新型出生前診断)とは、2013年に臨床研究として運用が開始された、新しい出生前診断(出生前検査、出生前遺伝学的検査)です。
NIPTを受けると約1〜2週間後に結果を知ることができますが、結果は原則的には「陽性」または「陰性」ごくまれに「判定保留」のいずれかで返ってきます。
国内の認定施設でのNIPTの実績によると2013年4月から2019年3月まで行われた75,525件の検査で陰性の結果が出たのは58,893例であり、そのうち正常な妊娠経過をたどったのは56,523件(95.98%)でした。
陰性の中には偽陰性が0.01%あり21トリソミーが3件、18トリソミーが3件となっています。
今回はNIPTの結果のうち陰性の意味することや偽陰性について等説明していきます。
NIPTの結果が陰性の意味すること
胎児に21トリソミーや18トリソミー、13トリソミーの可能性があるかを調べる一般的なNIPTで結果が陰性となった場合、胎児が対象となる疾患を持っている可能性がとても低いと解釈することができます。
例えば21トリソミーの場合だとNIPTの結果で陰性が出るとかなり高い確率(99.9%)で21トリソミーの胎児を妊娠していないと言えるわけです。
また最近の新しいNIPT検査では上記の3つの対象疾患だけでなく、全ての染色体や性染色体を調べたり、微小欠失症候群等をより詳しく調べたりすることもできます。
これらの検査においても陰性が出ると胎児がその疾患でない可能性はかなり高いと言われています。
NIPTの陰性的中率は99.9%
陰性的中率とは検査で陰性となった人の中でで実際に疾患を持っていない人の確率を指します。
この陰性的中率は21・18・13トリソミーいずれも99.9%です。そのためNIPTで陰性が出た場合は、胎児が対象の疾患でない確率が99.9%であると言うことができるわけです。
しかし逆に言えばNIPT検査で陰性となっても、0.01%は陽性の可能性があると言うこともできます。
陰性的中率は対象となる疾患によって少しの差はありますが、妊婦さんの全ての年齢で同程度と言われています。
以上のことからNIPTで陰性が出たら胎児が対象の疾患を有している可能性はかなり低いことを指し、陰性の結果が出た妊婦さんの多くが侵襲的な検査である羊水検査などは受けずにそのまま様子を見ることとなります。
NIPTの結果で偽陰性が出ることもある
NIPTの結果で陰性と出た場合、胎児が対象の疾患でない可能性は99.9%ですが、ごくまれに胎児は実際には対象の疾患であるにもかかわらず陰性の結果になることもあります。
これを「偽陰性」といいます。しかし偽陰性が出てしまう確率は0.1%以下であると言われています。
これは検査を受けた1,000人の妊婦さんのうち1人以下の妊婦さんが偽陰性になることを指しています。
ただし偽陰性が出る確率はかなり低く精度の高いスクリーニング検査としてNIPTが利用されている理由がここにもあるといえるでしょう。
結果が判定保留の場合は再検査が必要な場合もある
NIPTの結果で陽性や陰性でもなく「判定保留」の結果が出ることもあります。
何らかの理由により妊婦さんの血液中の赤血球が壊れてしまう溶血が起きてしまったり、検査機関側の検査機器の測定要件に適合せずエラーが起きることがあります。
さらに妊婦さんが持っている疾患の影響や血液の中に流れる胎児のDNAの濃度が小さいと言う理由も考えられます。
これらの場合は再検査が必要になったり、最終的な結果が得られないといった可能性もあることを理解しておきましょう。
平成25年度に行われたNIPTの検査実績のうち判定保留と出たのは0.23%となり、判定保留は非常に稀なケースといえますが全く起きない訳ではないことを理解しておきましょう。
まとめ
NIPTの結果で陰性が出た場合、胎児が対象の疾患ではない可能性は高いと言えます。
しかしNIPTの検査自体が確定的な結果が出る検査ではないため、結果が絶対的な診断であるとは言い切れません。
そのため陰性という結果が出ても実際に出産するまで不安な気持ちを抱いてしまうかもしれません。
今回説明したように偽陰性や判定保留もわずかながら存在するということ等を遺伝カウンセリングを受けてしっかりと理解をした上で夫婦で検査を本当に希望するのか考えてからNIPTを受検することをお勧めします。
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