3人目は高齢出産。障害や流産などのリスク、経済的な負担など、経産婦として産む前に知っておくべきこととは?

経産婦として3人目の子どもを迎えることは、喜びに満ちた瞬間です。しかしながら、働きながら結婚して、子どもを出産した人は、三人目の妊娠で出産時の年齢が35歳以上の高齢出産になることもよくあります。年齢の上昇によるリスクや、最初の二人の子どもと年齢が離れているなど、三人目を産むかどうかを悩む人も少なくありません。

高齢出産は今までの出産とどこが違うのか、メリットやデメリット、リスクなど、経産婦として高齢出産を迎えた人のため、高齢妊娠についての情報を詳しく紹介します。

高齢出産とは

少子化問題が深刻化していますが、女性の社会進出により晩婚化が進み、出産年齢も高齢化しています。30代での出産はもちろん、現在では40歳を過ぎてから出産する人も少なくありません。まだ、第一子、第二子は20代〜30代で産んで、少し時間が空いて第三子を授かり高齢出産となる人もいます。

35歳以上で出産する場合が高齢出産

日本産科婦人科学会では、出産時の年齢が35歳以上の場合を高齢出産と定めています。1980年代の頃までは30歳以上が高齢出産でしたが、世界的に見ても年々女性が子どもを出産する年齢が上がっていることを踏まえて、高齢出産の年齢が引き上げられました。

高齢出産で考えられるリスク

高齢出産になると、妊娠してから出産するまで胎児や母体にさまざまな大きなリスクがあります。たとえすでに無事出産した二人の子どもがいて、三人目の出産であっても、高齢出産の場合は前回までの出産とは異なることを意識した方がいいでしょう。

障害がある子どもの確率が上がる

高齢出産の場合、卵子も衰えてくるので、受精卵が細胞分裂するときに異常が起きる確率が高くなります。そのためダウン症の子どもが生まれる可能性があります。ダウン症は21番目の染色体が1本多くなるために起きる先天的な異常です。

ダウン症の子どもは700人に一人の割合で生まれてきますが、母親が高齢になるほど子どもがダウン症になる確率は高まります。

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流産する可能性が高くなる

高齢出産の場合、流産する可能性も高まります。妊娠のうちの約15%ほどが流産になります。また約40%の女性が流産を経験すると言われています。

流産の主な原因は赤ちゃんの染色体異常などです。受精した瞬間に、胎児が育つか流産するかは決まります。高齢になるほど染色体の異常が起きるリスクが高まるため、流産も増えるのです。また早産や死産も増えます。

前置胎盤になりやすい

高齢で妊娠すると前置胎盤になりやすくなります。前置胎盤は子宮口の一部または全部を胎盤が覆ってしまう状態で、妊娠中でも胎盤の一部が剥がれて少量の出血を起こす場合があります。お腹が張ると出血しやすくなるので安静にしなければならず、激しい運動などはできません。また少量の出血から大出血を引き起こす場合もあり、母体の状態によっては管理入院が必要なこともあります。

前置胎盤になる原因ははっきりしていませんが、高齢出産や多胎児妊娠、喫煙、以前帝王切開や流産、中絶の手術を受けたことがあると言ったことが関係していると言われます。母親に自覚症状はなく、検診で見つかる場合がほとんどです。前置胎盤が直らない場合は、分娩はほぼ帝王切開になります。

糖尿病や高血圧になりやすい

高齢出産の場合、妊娠糖尿病や妊娠高血圧症候群になるリスクも高まります。妊娠糖尿病とは今まで糖尿病と診断されない人が妊娠して高血糖になる場合をいいます。母体の血糖値が上がると、さまざまな弊害が起きる可能性が出てきます。網膜症や腎症、妊娠高血圧症候群になったり、羊水の量が増減する可能性があります。

また胎児にも影響が出る場合があり、流産や低血糖、巨大児、心臓肥大や多血症、黄疸、さらには胎児が死亡することもあります。妊娠高血圧症候群は、妊娠中に血圧が上がる場合に呼ばれる病気で、約20人に1人の確率でかかります。妊娠34週前の早い段階で妊娠高血圧症候群になると重症化するリスクが高まります。

けいれん発作が起きる、蛋白尿や肝臓や腎臓の機能が低下する、脳出血になる、溶血と血小板が減るHELLP症候群などの可能性があります。また胎児は発育不良や機能不全、胎盤早期剥離などリスクが高まり、胎児が死亡するケースもあります。

三人目が高齢出産のメリット

やっと三人目を授かった場合でも、思いがけず三人目を妊娠した場合でも、新しい命が宿るのは奇跡と言えます。高齢出産で三人目を産むメリットを考えてみましょう。

兄弟が面倒をみてくれる

上に二人の子どもがいると、三人目が生まれたあと何かと手伝って赤ちゃんの面倒をみてくれるでしょう。上の兄弟の年が近くてまだ小さい場合でも、自分に弟や妹ができるのはうれしいと感じ、可愛がります。母親もすでに妊娠〜出産、さらに子育ての経験があるので、第一子のときのような不安や戸惑いもなく、安心して育てられるでしょう。

すでに上の二人の子どもがある程度大きくなっている場合は、赤ちゃんの面倒だけでなく、家事を手伝ってくれることもあるので、高齢の子育てでも、家族と協力して楽しく乗り越えられます。

家族から愛情を注がれて育つ

三人目は家族みんなから愛情を注がれて成長します。父親や母親、兄や姉から可愛がられ、大切に育てられるのでのんびり大らかに育つでしょう。

特に上の二人が男の子で三人目が女の子、または上二人が女の子で三人目が男の子といった場合は、三人目の可愛さを実感する親も多いようです。長男や長女のように親の期待の重圧もなく、困ったときは相談できる兄弟がいるので甘え上手な人が多いと言われます。

三人目が高齢出産のデメリット

三人目を高齢出産したときのデメリットもあります。産む年齢が30代、40代になると一人目や二人目の出産のときには気づかなかった大変さが出てくることもあるでしょう。

体力的に家事と育児が大変

35歳を過ぎた高齢出産の場合、家事と育児をこなす体力の衰えを感じるかもしれません。家族の食事の支度や洗濯などいつもの家事を行いながら、2〜3時間おきの授乳はとても疲れます。また、産後の回復や体重の戻りも一人目や二人目よりも遅くなります。体力の面だけでなく精神的に余裕がなくなる場合もあるでしょう。

一人ですべてをこなそうとすると大変なので、家族に理解してもらい、家事の分担や育児の手助けなどを頼みましょう。

成人するまでの経済的負担

三人目が生まれてから成人するまで、経済的な負担が増えます。一般的に幼稚園から大学を卒業するまですべて国公立の学校に進学しても約1,000万円かかると言われています。私立の場合はさらに多くの学費が必要です。また二人の上の子どもの学費も考えなければいけません。

兄弟の歳の差によっては、高校受験と大学受験が重なる場合もあります。三人の子どもを育てながら母親も働いて収入を得るのは難しいケースもあるため、計画的な貯蓄や学資保険の加入など早めに備えておく必要があります。

3人目が高齢出産時に受けられるサポート

三人目を高齢出産したときのデメリットは確かに存在します。ですが、これらに関しては国や民間団体が取り組むサポートを上手く活用することで、不安の軽減や安心を得ることができます。

経済的なサポート

日本では出産年齢に関係なく、出産育児一時金などの給付が受けられます。また、高齢出産により所得が減少した場合、扶養控除や所得控除の適用など、税制的優遇が受けられる場合があります。

健康保険制度では、出産や子育てに関連する医療費の一部を補助する制度があります。その他にも所得に応じた保育料の軽減措置や育児休業制度など、様々なサポートが受けられる場合がありますので、自治体及び関連機関に確認を取ってみるのがおすすめです。

こころのサポート

高齢出産に限らず、妊娠中はパートナーや家族とのコミュニケーションが非常に重要です。話し合いを通じて、感情や想いを共有し、お互いにサポートし合うことで、負担の軽減や信頼関係による安心を得る事ができます。

また、不安や心配、感情の変化などにたいして、妊娠サポートを行うグループも存在します。高齢出産などの同じような境遇を経験したメンバーが集まるグループなど、具体的なアドバイスやサポートを得られることもあります。

場合によっては助産師や医師などの専門家にカウンセリングを受けることも可能です。個別にカウンセリングサポートを担っている医療機関や企業もあるので、探してみるのも良いでしょう。

医療のサポート

高齢出産の様々なリスクに対して、医療のサポートも多く存在します。不安や分からない事は専門家である産婦人科医に聞くことで解決できることも多いです。定期的な検査を行うことで聞きづらい、忙しそうなど、かかりつけ医に聞けない場合には、セカンドオピニオンや前述のカウンセリングサポートなども利用できます。

また定期的な検査に加えて、NIPT(新型出生前診断)など、最新の検査では早期に胎児の状態を知る検査が出てきています。高齢出産によるリスクが心配という場合には検査を受けるのも一つの選択肢です。

まとめ

既に出産を経験していても、三人目の出産などで35歳以上の高齢出産になる人も少なくありません。晩産化が進んでいるので三人目を40代で生む人もいます。妊娠、出産の経験があっても、高齢出産になると母体や胎児にさまざまなリスクが生じる可能性が出てきます。

高齢出産で起こりうることを十分に認識して、出産まで大事に過ごしましょう。

また高齢出産の場合、一人目のときよりもかなり体力が衰えていると感じることもあります。家事や子育てが大変なときは、無理せず家族の助けを借りて乗り切りましょう。マネープランも早めに対策を取る方が良さそうです。

安心して出産するための新型出生前診断(NIPT)という選択肢

■妊娠中のリスク管理には出生前診断が有効です

妊娠すると心身が変化をはじめ、妊婦さんとお腹の赤ちゃんは様々な要因から病気になるリスクが高くなります。出生前診断は妊娠管理の上で有益な情報源となります。

胎児に異常が見受けられる場合には早期に準備ができますし、流産しやすいなどの特徴が見られる場合は個別の対応をすることが可能になります。
早期の発見には、出生前診断の中でも採血のみで高精度の検査が可能なNIPT(新型出生前診断)がおすすめです。

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