体外受精とは?先天的障害の可能性やリスク、着床前診断について解説!

世界で初めて体外受精による赤ちゃんが誕生してから、40年以上が経ちました。妊娠を希望する夫婦が1年間以上避妊なしで性行為を試みても妊娠しない不妊症。そんな不妊に悩む夫婦にとって妊娠率が高いと言われている体外受精はとても魅力的です。

しかし不妊治療を考えたことがある人は、誰しも最初に「人の手を加えた不妊治療による妊娠は安全なのか?」と疑問に思うでしょう。どれだけ妊娠率が高くても、母子が一生涯健康に暮らせることより大切なことはありません。

そこで今回は体外受精についての基礎知識から、自然妊娠と比べた先天的障害などのリスクについて解説します。

 

体外受精と妊娠の関係について

体外受精は卵巣内で成熟させた卵子を排卵直前で体外に取り出し、パートナーの精子と受精させ、ある程度まで発生させた受精卵を子宮内に戻す治療法です。

妊娠するまでには様々な工程があり自然妊娠の場合は、まず卵巣内で卵子が作られ、卵子は卵巣壁を破壊し(排卵)、精子と出会い受精し、受精した卵子が子宮に着床します。排卵の際に正常な妊娠では卵子は卵巣から飛び出して卵管へ運ばれ受精しますが、体外受精では卵胞に針を刺して排卵直前まで成熟した卵子を取り出します。

採精した精子の中でも運動性の高い精子を選別・濃縮し、培養液の中で精子と卵子を出合わせます。そして、精子が卵子に自力で入り込むことで受精が起こります。その後様子を見ながら受精卵を子宮に戻し、受精卵が子宮内膜に着床すれば妊娠成立となります。

参考URL 日本産婦人科学会 不妊症について

タイミング法、人工授精、体外受精、顕微授精の違い

不妊治療と言っても方法は1つではありません。不妊治療には段階があり、一般的に「タイミング法」「人工授精」「体外受精」「顕微授精」の順番で進めていきます。検査やカウンセリングを受けつつご自身に合った治療を選択しましょう。

気軽にできるタイミング法から妊娠率の高さから一見魅力的に見える顕微授精まで、様々な方法がありますので違いを知っておきましょう。

タイミング法とは

タイミング法はその名の通り、排卵周期のなかでもっとも妊娠しやすいタイミングを見計らって性交を行う方法です。

ホルモン検査や基礎体温を測るなどして排卵日を予測するので、もっとも自然に近い効果的な妊娠が見込めます。治療にかかる費用や期間が少なく、精神的身体的な負担も少ないので、不妊治療では最初のステップとして用いられることが多いです。排卵日の2日前から排卵日までに性行を行います。

タイミング法は6回行って妊娠しなければその後の妊娠率は停滞することが多く、その場合は次のステップに進みます。

人工授精とは

人工授精とは採取した精液の中から運動性の高い精子を選別・濃縮し、妊娠しやすいタイミングに合わせて子宮内に注入する方法です。妊娠成立後の流れは自然妊娠と同じで、妊娠率は10%ほどです。

また、一般的に不妊治療として内服薬や注射による排卵誘発剤を用いて卵巣を刺激し、排卵を起こす薬物療法などの外科療法も含みます。1回あたりの費用は2〜3万円程度です。

体外受精とは

体外受精はIVF(体外受精)とICSI(顕微授精)の2つがあります。体外受精というと体外受精と顕微授精を合わせた総称にもなるため分かりにくいですが、IVF(体外受精)はふりかけ法と呼ばれることもあり、卵子の入った培養液の中に運動性の高い精子をふりかけ培養液の中で培養します。

ふりかけた精子が自ら卵子の中に入り込み受精が確認できると、その後受精卵を子宮に戻します。子宮内に戻された受精卵が子宮内膜に着床すると妊娠成立となります。1回あたりの費用は30〜60万円ほどで人工授精と比べるとかなり高額になります。

顕微授精とは

顕微授精とは、顕微鏡と細いガラス管を使い精子に卵子を直接注入し受精させる方法です。男性の精子に問題がある不妊症や体外受精(ふりかけ法)では受精卵を得られない場合に用います。

運動性の高い形の正常な精子1つを細い針で卵子に注入する方法で、直接精子を卵子に注入するので受精する確率は高くなります。しかし、本来であれば受精できない質の低い精子と卵子での受精が成立してしまった場合、流産する可能性や先天的障害を持った子どもが生まれる可能性があります。

1回あたりの費用は30〜90万円ほどで体外受精と同様かなり高額になり、先天性異常の子どもが生まれる可能性もあるので最終ステップの顕微授精は最終手段として用いられる場合が多いです。

参考URL http://www.jsog.or.jp/modules/statement/index.php?content_id=6

体外受精はどんなリスクがあるの?

着床率(妊娠率)の低さと高い流産率

体外受精による妊娠率は20〜30%程度、分娩率は20%程度と報告されています。また体外受精での流産率は25%ほどで自然妊娠の流産率である約10%と比べると約15%も高い割合です。

その理由は加齢により卵子と精子の質が下がることで受精卵が成長しないこと、子宮内膜にポリープがあるなど子宮膣内が変形し着床できない子宮障害であることが原因として挙げられます。

流産も同様に、加齢により卵子と精子の質が下がったことが原因に挙げられます。流産が起こるのは自然淘汰によるものなので「防ぐ」という考え方は正しくありません。

流産は染色体異常などの赤ちゃんが生まれてくることを淘汰する仕組みで起こるものです。したがって体外受精だから流産率が上がるのではなく、加齢により受精卵の質が下がり流産する可能性が上がるということです。

経済的な負担が大きい

不妊治療は国で疾病と認められておらず保険適用外になり、診察や治療は自費になります。助成金制度や医療費控除の対象として不妊治療は徐々に認められるようになってきましたが、不妊治療にかかる経済的負担が大きいことには変わりありません。

また人工授精が1回2〜3万円程度なのに対して体外受精は30万円〜60万円程度かかる場合が多く、費用がかなり高額になります。不妊治療を経済的な負担の大きさから諦める夫婦も少なくありません。費用を抑え効果的な結果が望めるよう治療内容を総合的に判断し、夫婦ふたりの問題として向き合っていきましょう。

体外受精と先天性障害の可能性について

障害児生まれる確率は?

「体外受精により先天性障害のリスクが高まるとは言えない」これが現在までの通説ではありますが、体外受精は先天性障害を高めるという論文があるのも現実です。1986年から16年間に渡って30万人以上の出生児を対象に行った研究では、先天性障害が見られた子どもの割合は自然妊娠児に比べて体外受精児の場合2.5%高い結果になりました。

しかし体外受精はIVF(体外受精、ふりかけ法)とICSI(顕微授精)の2つがあります。体外受精(IVF)は培養液の中で精子が卵子に自力で受精します。それに対して顕微授精(ICSI)は人工的に細いガラス管を使って精子を卵子に注入するので、本来であれば受精できないような場合でも最先端医療により受精できてしまったことが大きく関与しています。

したがって体外受精と先天性障害の可能性について考える際は、体外受精(IVF)と顕微授精(ICSI)の治療方法を別に考えるべきと言えるでしょう。

体外受精による障害の有無は検査できる?

日本産科婦人科学会では平成30年6月に着床前診断に関する見解の改定が行われ、「着床前診断について重篤な遺伝性疾患児を出産する可能性がある場合などには、着床前診断実施の必要性がある」ことに改定されました。

着床前診断とは体外受精の胚の染色体数や染色体の検査を行い異常がない可能性の高い胚を選んで子宮に戻すことです。しかし誰でも受けられるわけではなく、重い遺伝子疾患の体質を持つ子どもが生まれる可能性のある方と、染色体の構造変化が原因の流産を繰り返す方のみです。着床前診断の流れは遺伝に関するカウンセリングや染色体や遺伝子変化の確認検査など、日本産婦人科学会に申請してから承認されるまで半年ほどかかります。

引用 重篤な遺伝性疾患児を出産する可能性のある遺伝子変異ならびに染色体異常を保因する場合,および均衡型染色体構造異常に起因すると考えられる習慣流産の場合に着床前診断(以下,本法)を実施する必要性を認め,その際に本会会員が順守すべき事項を,「着床前診断」に関する見解として示し,最近では平成30年6月に改定しました.

参考URL http://www.jsog.or.jp/modules/statement/index.php?content_id=31

安心して出産するための新型出生前診断(NIPT)という選択肢

■妊娠中のリスク管理には出生前診断が有効です

妊娠すると心身が変化をはじめ、妊婦さんとお腹の赤ちゃんは様々な要因から病気になるリスクが高くなります。出生前診断は妊娠管理の上で有益な情報源となります。

胎児に異常が見受けられる場合には早期に準備ができますし、流産しやすいなどの特徴が見られる場合は個別の対応をすることが可能になります。
早期の発見には、出生前診断の中でも採血のみで高精度の検査が可能なNIPT(新型出生前診断)がおすすめです。

■八重洲セムクリニック(東京)・奥野NIPTセンター(大阪 奥野病院横)のNIPTはこちら(新型出生前診断)
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