今回は、妊娠中の旅行についてお話ししたいと思います。
妊娠中の旅行は控えたほうがいいのか悩まれていたり、出産前に夫婦だけでの旅行を楽しみたい、体調が落ち着いたから、気分転換に出かけたい、ストレスから解放されたいなど、妊娠中に旅行に行こうか悩んでる妊婦さんに参考になれば嬉しいです。
妊娠中に旅行に行くリスクは何がありますか?
妊娠中の旅行のメリットは、雄大な自然やきれいな景色に触れ、心が豊かになる。夫婦でお互いの考えなど共有し理解している場になる、などが考えられます。心がリフレッシュすることで、妊娠生活や出産に前向きになれるなどもありますが、リスクもあります。妊娠中の旅行のリスクを理解せずに、安易に旅行に行くと思わぬトラブルが起こる危険性があります。旅行を計画する前に知っておきましょう。
まず1つ目が、体調不良を我慢してしまうリスクです。体調が良く、パートナーや家族と旅行のプランを立てて朝出発という時に、いきなりお腹が張って痛くなるケースがあります。せっかくの旅行で体調不良に気づきながらも我慢をしてしまう妊婦さんもいます。腹痛がひどくなってから病院に駆け込んで、常位胎盤早期剥離という胎盤が子宮壁から剥がれ落ちてしまう状態となって、母子ともに助からず、悲しい結末となってしまうこともあります。
そして2つ目が、海外旅行でのリスクです。海外旅行では飛行機での長時間の移動や緊急時の意思疎通などトラブルが起きやすいです。また日本のように医療保険制度がない海外で緊急受診した場合、10,000,000円を超える高額の医療費を請求される恐れもあります。妊娠中の旅行は、赤ちゃんを迎える前に夫婦で絆を深められる場となるメリットもありますが、海外旅行や妊娠糖尿病や妊娠高血圧症候群などリスクのある人は、遠出は控え余裕を持ったプランにしましょう。
妊娠初期・中期・後期それぞれの注意点
次に時期ごとの注意点についてお話ししたいと思います。まず妊娠初期です。
妊娠初期はつわりで旅行を楽しめない時期です。旅行が原因とは断定できませんが、妊娠12週までは流産しやすく、旅行に行ったからだと後悔することもあるので、極力控えた時期です。また個人差もありますが、つわりの間は食べられるものが限られ、匂いにも敏感になり、旅行を楽しめない方が多いです。
次に妊娠中期です。妊娠5ヶ月から7ヶ月が安定期に入るので、妊娠中に旅行に行くのであれば最適な時期となります。前置胎盤などリスクがある場合は控えた方が良いですが、妊婦検診で特に問題がなく体調が良い場合は検討しても良いかと思います。しかし、もちろん無理はせず些細なことでも何か異変をキャッチしたらすぐに安静にし、場合によっては旅先で受診をしましょう。旅行に行く場合は、事前に医師に相談し、張り止めを処方してもらったり、何かあったときの対処法を確認しておきましょう。
最後に妊娠後期です。臨月は避けて出かけるなら近場がいいです。体調が良ければ妊娠8ヶ月ごろまではいいですが、臨月はお腹が張りやすく、お産が早まる心配があるので、極力避けたほうが無難です。もし産休に入ってから旅行に行きたい場合は遠方ではなく、かかりつけ医の所へ戻ってこられる位の近場が安心です。
交通手段は何がいい?
次に交通初段についてお話ししたいと思います。
まず1つ目が車です。車移動は体調が悪くなってもすぐに停車できるなど妊婦さんのペースで移動できるのがメリットです。ただし長時間同じ姿勢でいるのは良くないので、まめに休憩をとって体を動かすと良いです。妊娠中はトイレも近くなるので高速道路では早め早めに休憩を取りましょう。
2つ目が電車です。電車や新幹線での移動手段は目的地に到着する時間が読みやすいことがメリットです。特急電車や指定席に乗ることでゆったりとした旅行が楽しめます。電車に乗る時間や乗り換えの時間などギリギリになると急いで歩くなどして負担になることがあります。妊娠中の旅行は時間やスケジュールに余裕を持って行動することが大切です。車中で具合が悪くなっても途中で車する事は難しいので、体調が良い時期に行きましょう。
3つ目は飛行機です。妊娠中は血液量が増え血栓ができやすいので同じ姿勢を取り続ける長時間フライトはお勧めしません。もし飛行機を使うのなら、妊娠週数により医師の診断書が必要な場合もあるので、必ず航空会社に確認し、旅行前に書類の準備など忘れずにしましょう。
いざ、旅行先はどこにいく?
次に旅行先のポイントについてご紹介します。まず1つ目が温泉です。温泉の性質自体がお腹の赤ちゃんに影響する事は無いですが、長時間高温の湯につかるのはNGなので、ぬるめの湯でのぼせないように気をつけましょう。
2つ目がテーマパークです。せっかく来たしと朝から晩まで休憩なしで遊び回ったり、様々なアトラクションに次々に乗るなど無茶をするのはNGです。妊娠中は妊娠前の体調とは異なるものだと自覚し、激しいアトラクションは避け、休み休み行動して長居しないように気をつけましょう。
3つ目は海です。海水は細菌感染が心配なので足をつける程度にし、体は海水につけない方が安心です。ある程度の日光浴はビタミンD生成のために必要ですが、ピーチは紫外線が強いので注意が必要です。妊娠中はホルモンの影響でしみやそばかすができるなど、肌トラブルになりやすいので気をつけましょう。
旅行中のお役立ちグッズ
次に妊娠中の旅行の持ち物についてご紹介したいと思います。
母子健康手帳、健康保険証は旅行先の病院で受診する可能性もあるので必ず持参しましょう。市販薬を飲むことは避けたいので処方されているお薬がある場合、お薬手帳とともに持参しましょう。葉酸や鉄分など普段飲んでいるサプリも忘れずに持っていきましょう。
妊娠中に旅行に行く際には、万全に準備をしリスクを知り無理をしないように注意して楽しんでくださいね。