今回は、感染症のリスクとこの時期に苦しむ妊婦さんが多い便秘についてのお話です。
妊娠10週の平均的な胎児の大きさはイチゴくらいの大きさです。ママのお腹の中の赤ちゃんは急速に成長しています。妊娠初期は、特に感染症に気をつけたい時期です。1番心配なのがお腹の赤ちゃんにどう影響するのかということです。予防することが1番ですが、もし予防しても感染症にかかった場合は、早めに治療することが重要です。
5つの主な感染症について
主な感染症を5つをご紹介したいと思います。
風疹
まず1つ目は風疹です。風疹の症状は体全体に赤い発疹が出ますが、症状があまり出ないこともあります。妊娠20週までに妊婦さんが感染すると、赤ちゃんにも高い割合で感染し、先天性風疹症候群という障害を持った赤ちゃんが生まれてくることがあります。血液検査で妊婦さんが持っている抗体の数値を確認し、風疹への免疫を確認することができます。
インフルエンザ
2つ目はインフルエンザです。妊娠中に感染すると症状が悪化しやすいので注意が必要です。妊婦さんがインフルエンザにかかると早産率が通常より高くなるリスクがあります。インフルエンザが流行する前に可能な方は予防接種をし、外出後は手洗い・うがいを心がけましょう。
リステリア菌
3つ目はリステリア菌です。妊婦さんがリステリア菌に感染し、発症すると胎盤を通して子宮内感染を起こし、流産や早産につながる可能性があります。リステリア菌は加熱していないチーズや生ハム、スモークサーモンに存在する可能性があります。妊娠中の食事には注意しましょう。
カンジダ膣炎
4つ目はカンジダ膣炎です。外陰部の痒みや豆腐のカスのようなオリモノが増えます。出産までに治らないと産道感染し、赤ちゃんが鵞口瘡になることがあります。抗真菌薬の膣錠で治療すれば治ります。早めの治療を心がけましょう。
水痘
5つ目は水痘です。水痘とは水疱瘡のことです。妊娠初期に感染すると赤ちゃんは先天性水痘症候群になる可能性があります。またお産直前に感染すると、生まれた赤ちゃんに感染して重症化することが多いので、免疫のない妊婦さんは要注意です。
妊娠中に便秘になりやすい理由と対処法
次にこの時期に苦しむ妊婦さんが多い便秘についてお話ししたいと思います。
妊娠中はホルモンの影響などで便秘気味になりがちです。生活習慣を見直したりバランスの良い食生活を送ることで改善に向かう妊婦さんも多くいらっしゃいます。整腸作用に優れた食物繊維やオリゴ糖、乳酸菌やビフィズス菌を多く含む食品を適度に摂るように心がけましょう。
また、適度に体を動かし、腸の働きを良くすると便秘予防につながります。もし便秘の症状が辛い場合は、産婦人科で便秘薬を処方してもらいましょう。3~4日お通じがなかったり、お腹が張って苦しかったり、硬い便で排泄しにくい場合は、我慢せずに主治医に相談するようにしましょう。赤ちゃんに影響のない便秘薬を処方してくれるので安心して服用できます。
今回は妊娠10週の時に知っておいていただきたい、感染症のリスクとこの時期に苦しむ妊婦さが多い便秘についてお話しさせていただきました。この時期、ママのバストも大きくなり、痛みが生じる方もいらっしゃるかもしれません。サポートブラや付け心地の良い下着に変えるなど、ママは楽になるようなアイテムの活用も検討しておきましょう。