産婦人科・内科 八重洲セムクリニック(東京駅5分)|新型出生前診断(NIPT)・IPT療法

【初めての妊活】具体的に何をしたらいいですか?

今回は、妊活についてお話ししたいと思います。

妊活とは、そろそろ赤ちゃんが欲しいなと考えることから始まり、妊娠に向けて夫婦で話し合うこと、知識を取り入れて行動を起こすことです。医療による不妊治療などの赤ちゃんのいる生活を目指して行動することなども含みます。また普段の生活習慣を見直し、健康体になることも妊活の1つです。そこで妊娠しやすい体を作るために今日からできる生活習慣を6つご紹介したいと思います。

妊活中のおすすめの過ごし方

1.温活

まず1つ目が温活です。妊娠のためには卵巣や子宮の血液量が多いことが大切です。つまり過度な冷えはNGです。毎日お風呂にゆっくり使ったり、腹巻をしたり、酵素風呂や岩盤浴で体を温めるのも効果的です。

2.食事

2つ目が食事です。男女ともに肥満や痩せすぎは妊娠に影響することがあるので、バランスの良い食事を心がけることが大切です。タンパク質を多く取るように心がけましょう。また、体のミネラルバランスやビタミンが充分取れるように、【まごはやさしい】を中心に摂ることがおすすめです。【ま】は、納豆や豆腐、枝豆などの豆類です。【ご】ごまです。【わ】はわかめなど海藻類です。【や】は野菜です。【さ】は魚です。【し】は椎茸などきのこ類です。【い】はイモ類です。旬のものをいただくようにしましょう。

3.葉酸

3つ目が葉酸です。受胎前後における葉酸接種により、胎児の神経管閉鎖障害の発症のリスクが軽減することが報告されています。そのため、妊娠している方、または妊娠を希望している方に対し、厚生労働省は400マイクログラム摂取するよう推奨されています。ただし葉酸は水や熱に弱いため、食事から十分に摂取することが難しいです。そこで葉酸の摂取をサプリメントなどから行うことが推奨されています。

4.運動

4つ目は運動です。全く体を動かさない状態が続くと、筋肉が硬く太くなり、神経や血管を締め付けてしまいます。神経や血管が圧迫されると血流が悪くなり、卵巣に十分な栄養が行き届かなくなります。そうすると、女性ホルモンのバランスが乱れ、卵胞の育ちが悪くなり、妊娠が難しくなります。血の巡りを良くする程度の軽い運動がオススメです。翌日にも疲れが残るほどの激しい運動は、効果などで注意が必要です。ストレッチやヨガウォーキングなどされる方が多いです。

5.禁煙

5つ目は禁煙です。喫煙することで体内に吸収されるニコチンは、卵巣の血流減少による酸素欠乏を引き起こし、これが原因で女性ホルモンが作られにくくなります。そうすると、女性ホルモンへの悪影響が卵子成熟の阻害につながります。卵巣の機能低下や卵子の質が悪くなり、体外受精成功率の低下などリスクを高める要因となります。いきなり禁煙することは難しいことなので徐々に量を減らしていきましょう。

6.基礎体温

6つ目は基礎体温です。妊活を始めたら基礎体温を記録する方が多いです。基礎体温とは目が覚めてからそのまま動かず測る体温のことです。毎朝同じ時間帯に体温計を差し込んで寝たままの状態で計測します。細かいデータが必要なので、体温は0.00単位でわかる婦人体温計を使うと良いです。基礎体温は高い高温期と低い低温気に分かれます。

排卵は低温期の最終日に起こることが多いとされていますが、排卵日を明確に予測する事はとても難しいので、目安程度にしておくといいです。しかし基礎体温でご自身の体調把握しておく事は、妊活する上で重要です。

男性不妊とは?

日常でできる妊活について6つご紹介しましたが、この中で男性にはNGの人数があります。それは温活です。

女性は温活と称して下半身を温めますが、男性は下半身を温める事はNGです。下半身を温めることで精子がうまく作られなくなります。長風呂やサウナは避けましょう。また男性不妊の最も多い原因が精索静脈瘤です。精索静脈瘤とは精巣から心臓に戻る静脈である、蔓状静脈叢(つるじょうじょうみゃくそう)内の血液が逆流してしまい、精巣の周りに静脈のこぶができてしまう状態を言います。精索静脈瘤になるとお腹から逆流した温かい血液が留まって、精巣の温度を上げてしまいます。熱に弱い精子にとっては最悪の環境になります。

精索静脈瘤はよほどひどくならない限り、痛みなどの目立った症状がない場合が多く、自覚症状がないことがほとんどです。検査や治療で痛い思いをする女性のことを考えると不妊治療を始める前に調べておくことが大切です。

不妊症の原因は女性だけにあるのではなく、半数は男性に原因があると言われています。もし男性側に重大な原因があれば、女性側がホルモン剤の投与などで排卵を促す治療を続けても全く意味がなく、不必要な治療で身体的な負担をかけることにもなりかねません。

男性の妊活や受診はメリットが大きく、夫婦で一緒に妊活する事は意味のあることです。夫婦で一緒に取り組んでもらいたい事は生活リズムを整えていくことです。生活習慣を見直し、食生活や睡眠時間を大切にし、お互いに良いリズムを作ってみてください。

妊娠への道のりは人それぞれです。何人子供が欲しいのかなど夫婦でライフプランを練り妊娠への思いを共有することや、健康的な生活を送り、妊娠しやすい環境を整えることも立派な妊活です。妊娠するための体のメカニズムを知り、タイミングを合わせていくなど、まずは自分たちでできることを始めてみましょう。ご自身に合った妊活スタイルを見つけましょう。