なるべく早く受けたいけれど・・・・
NIPT(新型出生前診断)は妊娠10週と早い時期から受けられるのが特徴です。検査に必要な胎児の遺伝子成分の割合が一定になるのがこの時期になるためです。
当院でも「なるべく早く受けたいんです!」と妊娠10週前に検査を受けに来る方がたまにいますが、結果が「判定保留」となり再検査が必要になる場合が多い印象ですので、時期を待って検査を受けたほうが良さそうです。
また、10週を越えた妊婦さんでも「DNA不足」として再検査になる方が非常にまれですがいらっしゃいます。血液にも個人差がありますので心配な場合は10週後半以降に検査を受けるといいでしょう。
いつまでに受けるのが良いですか?
原理的には妊娠10週以降であれば検査はいつでも受けられます。
但し、下記のことを考慮に入れて検討しましょう。
〇陽性結果が出た後に確定検査を受ける可能性
NIPTはスクリーニング検査ですので、万一陽性結果が出た場合は羊水検査などの確定検査を受けて結果を確定する必要があります。
羊水検査は15週~17週(検査結果が出るまで大体3週間程度かかります)が推奨されている受検期間です。
〇NIPTの検査結果を受けての妊娠中断の可能性
妊娠15週以降に検査を受けに来る妊婦さんの中には、NIPTが陽性結果だった場合には妊娠中断を決めているという方もいます。この場合は15週以降に検査を受けることはあまりお勧めしません。
陽性結果が出た場合のことを事前に決めていたとしても、実際に陽性結果が出た場合は気が動転し、パニックになることも多いのです。加えて体調も不安定なこの時期に気持ちに整理をつけて手術をするクリニックを探すのはとても心身にとても負荷がかかります。
これらを踏まえますと、体調を見ながら10週~14週の間に検査を受けるのが良いといえるでしょう。当院でも90%以上の割合でこの期間に検査が受けられています。
検査を受けないほうがいい時期はありますか
〇つわりが酷い時期は体調ファースト
妊娠初期はつわりだけではなく、心身の変化も大きく、体調も不安定です。不調を感じたら予約日を変更しましょう。
頑張って来院したものの、貧血の為に検査ができずそのまま帰るという方もいますので、無理は禁物です。
〇バニシングツインと診断されたら
バニシングツイン(妊娠初期に、双胎児のうち片方がなくなり消える現象)と診断された場合は、診断日から3週~4週程度開けて検査を受けましょう。
片方が上手く吸収されない場合、残った細胞がコンタミとなり、疑陽性の要因となることがありますので、注意が必要です。
もしも受けられなかったら心配です
つわりが酷くNIPTを受けられないので他に代わる検査を受けたいですというご相談もたまにいただきます。
この場合にはかかりつけ医に相談して決めることをお勧めしています。出生前診断は何がなんでも受けなければならない検査ではありませんが、妊娠の時期や妊婦さんの状態によって選択する検査は変わってきますので一度相談すると良いでしょう。
繰り返しになりますが、妊婦さんと胎児にとって最も影響があるのは「ストレス」ですのでリラックスして過ごすことを第一に優先して欲しいと思います。