今回は、これまでの産婦人科診察で質問が多かった、妊娠初期に起きる妊娠の兆候について紹介します。
これから妊娠を考えている方、現在すでに妊娠中の方も妊娠初期の症状は気になることの1つだと思います。
妊娠した場合、アルコールや薬の摂取等、注意しなければならないことも出てきます。
妊娠の兆候のサインがあった時は、体調管理や生活習慣に注意することが重要です。
妊娠初期8つの症状
妊娠すると黄体ホルモンや卵胞ホルモンといった女性ホルモンのバランスが大きく変動します。
妊娠を維持するために黄体ホルモンの分泌が維持され、月経が止まったり、体温が上がったりと体に様々な変化が起こります。
個人差はありますが、妊娠初期に起こる8つの症状を紹介します。
- 微熱が続く:基礎体温の高温期が長く続くため、体が熱っぽくなり風邪をひいたのかと思うことがあります。
- おりもの量が増える:ホルモンの影響で膣の分泌物が増えます。おりものは乳白色で、粘りがありますが、強いにおいなどはありません。
- お腹が張る:より一回り大きくなった子宮が膀胱や腸を圧迫するので、お腹や腰が張ることもあります。
- 眠気が強い:普段体を動かすことが苦にならない人でもなんとなくだるさを感じたり、眠さを感じたりすることがあります。
- 便秘:ホルモンの影響で腸の動きが鈍くなり、便秘になりやすくなります。子宮が腸を圧迫するのも原因の1つです。
- 胃がムカムカする:胃もたれや吐き気、匂いに敏感になって胸がムカムカすることもあります。
- 精神的にイライラする:急に泣きたくなったり怒ったり、傷ついたり、自分でも理解できないほど情緒不安定になることがあります。
- 月経の遅れ:月経の遅れから妊娠に気づくケースが多いです。月経が1週間以上遅れ、妊娠5週ごろに気づくケースが多いようです。
妊娠週数の数え方
妊娠週数は28日周期の月経をベースに最終月経の初日をスタートと考えて、0週0日として数えます。
排卵が最終月経の初日からおよそ2週間後と仮定して、この時期は既に妊娠2週に入り、それからおよそ7日から12日後に受精卵が子宮内膜に着床して初めて妊娠が成立します。
実際には妊娠3週でようやく妊娠成立となりますが、まだこの時期には目立った自覚症状はありません。
受精卵が子宮に着床すると、通常生理が始まる前に分泌量が減っていく黄体ホルモンが過剰に分泌され、生理の時に剥がれ落ちるはずだった子宮内膜がそのまま成長を続けるため生理が止まります。
生理周期が規則正しい人が生理予定より1週間以上遅れた時は妊娠の可能性を考えておくと良いでしょう。
しかし、生理のリズムは環境の変化や精神的なストレスなどに影響を受けやすく、生理が遅れることは珍しいことではありません。
生理の遅れだけで妊娠と判断するのは難しいので、体調の変化にも気を配り、気になるときは早めに産婦人科の診察を受けることをおすすめします。
生理が遅れているときは、妊娠検査薬で調べておくと安心です。
陽性の場合は妊娠の可能性があります。陽性反応が出たら産婦人科の医師の診断を受けるようにしましょう。