つわりに薬は効くのでしょうか?|ベテラン産婦人科医奥野幸彦のこぼれ話|産婦人科・内科 八重洲セムクリニック(東京駅5分)

実は歴史の長いつわり薬

米国にはFDA認可のつわり薬があります。
お隣米国にはDiclegisというFDA(アメリカ食品医薬品局)承認のつわり薬があります。こちらは抗ヒスタミン剤(鎮静効果)とビタミンB6を混合した薬です。実はつわり薬は過去Bendectinという名前で1960年代に発売され一躍ブームとなりました。

しかし奇形が起こる可能性があるのでは?との危惧が高まり、訴訟リスクを恐れた製薬会社が販売を中止し、一旦姿を消したのです。その後、薬の効果とリスクがないことが臨床的に証明され再販されることとなりました。流石合理的なアメリカならではのエピソードですね。

日本では使用出来るの?
この薬は日本では認可されていないので国内販売されていません。個人輸入などで入手可能のようですがかなり高額な薬となり、それに見合った効果が得られるかというと、個人差もありますので私はあまりオススメはしません。

妊婦さんに気をつけてほしいこと

「水分」が大事
この時期にそれよりも大切なことは「水分」をしっかり取ることです。水気の多いものを少量ずつ頻回に摂取することで脱水症状を防ぎましょう。脱水症状が続くと妊娠悪阻のような重篤な症状を引き起こし入院が必要となり、最悪内臓や胎児にも影響を与えます。

少しずつ、摂取できるものを
つわりが酷くてなかなか飲食が辛いという場合は、飴やチョコレートなど少しずつ栄養補給出来るものを温かい飲み物と共に口にしましょう。氷をなめるのも水分補給には有効です。それでも辛い場合は、かかりつけの医師に相談しビタミンB6を処方してもらうのも一つの手です。

この時期はつわり以外にも体の変化に心が追いついていかない、家族やパートナーへ辛さをどのように伝えたらよいか分からないなど不安が多いかと思います。かかりつけ医に相談したり、助産師カウンセリングを上手く活用し無理をせず過ごしましょう。